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ページ番号884番
★ 妻が抱かれた夜・・・ ★ キリン (東京西部) 2012-10-08
これは10年ほどの前の話です。
Hトークを本屋で見つけて、恥ずかしい思いをして買ったのは、30半ばの頃でした。 それからは、ほとんど妻に馬鹿にされながら一緒に見ていました。何度か妻に 「どうか・・・」 とは言いましたが、そんな気はないと言われていました。 ですが、そんな話の後は妻も本気で燃えあがっていて、けっこう架空話で楽しく盛りあがったりしていました。 そのうちそれも馴れてきて、やっぱり一度抱かれて見ないかとか繰りかえし言っていると、渋りながらも何となく様子も変わってきました。 そうは言っても私の中には、そんな適当な男などいないし、自分が少し変態であって、他にはそんなことを思っている馬鹿はいないだろうとも思っていました。 妻もある会社に勤めていて、あれこれ有って私もその役職の何人かは知っていました。その中のある男のことを妻がさりげなく話題にしたことが2度ほど有りました。 不思議なもので、たいした話でもないのに、どことなくほかの男の話しとは違いが有るような気がしました。 妻がパートの頃にお世話になって、経理に変わってその男が上司になり、そして若くて今は部長だそうです。 妻は経理はということで、結局総務に変わったそうですが、今でも盆暮れには心づけをしているようです。 とぼけた顔で聞いていましたが、住んでいる町が旧市街地のある高級住宅街だとか、家族構成なども知っていたから、多少は気になる男のようでした。なければ、そんな事は話題にもしないはずだと思ったのです。 あるとき、そこの役職連中の飲み会のグループとバッタリ出会って、その男と立ち話をする機会があり、結局二人だけで飲みに行きました。 「妻がお世話に・・・」 と挨拶をすると、のんだ勢いでしょうが 「素敵な奥さんで・・・」とすぐ返してきて 「いやいやあんなのでよければどうぞ」 と言いました。 当然冗談と思ったのでしょうが、盛り上がりながら鷹揚に 「2,3度くらいならいいんですよ」 というと 「そんなことをおっしゃって」 とか言っていましたが、倦怠期だとかそれらしく話していると、多少本気になってきたようでした。 「エー、誘っても良いいのですか」 というから 「男が一度口にだしたからには、、大丈夫」 と言い切りました。 「それじゃあせっかくですから、今度誘ってみようかな」 というから、 「良いけど、私がこんな話をしたなんてそれはご法度ですよ」 というと酔いも褪めたような顔で 「了解です」 と真剣な顔で頷きました。 そして 「いやいや、ありがとうございます」と言うから 「妻がウンというかどうかは知りませんよ」 と言っておきました。 「恥かかせたなんてそんな話はいやですよ」 というと 「だめもとですよ」と笑っていましたが目は笑ってはいませんでした。 そつのないその男は、パートから社員にしてくれて、経理が苦手だったにもかかわらず、根気良く仕事を教えてくれたと言っていたことがあります。 それまでは閨室の寝物語だけでしたが、ある時少し真面目な顔で 「気になる男はいないのか」 と聞きましたが一呼吸置いて、いないと言いました。 それ以上は聞きもしないのに 「いるわけがないでしょう、なにを考えているの」 と私の様子を見るようにしながら、非難してきたから、私はいると確信しました。 それから又、本をめくりながら 「やっぱり知らない男よりは、少なくて身元はしっかりしていたほうがいいよね」 とか言うと 「何を考えているの」と言うから 「バカだなー、例えの話だよ」といいました。 「そんなことになっても、身元がはっきりしないと心配だろう」 というと「そうね」と相槌をうちました。 それで軽い調子で 「気に入った男が出来たら、一度抱かれて見たら」 と言ったら、なにも言わないでじっと私も見ました。 ドキッとしました。 そして家にあった節分の鬼の面を出してきて 「今日は俺じゃあないぞ、鬼だ」 「お前も知らない男ということで、楽しんで見るか」 と言いながらいつにもまして燃えあがりました。 あれから忘年会もあったし、飲む機会もあったはずなのに、あの男も誘ったともなんとも言ってきませんでした。 春も近くなった頃 「今度誘って見ますけど、いいんですね」 といってきたから 「男に二言はない」 と言いましたが、言いながら緊張しました。 言ってくるからには、其れなりの成算があるはずです。そう思うと私はそれからの夜は妄想も交えてしつこくせまるようになりました。 妻も怪訝な顔をしていましたが、けっこう歓んでおり、私も妻の様子をそれとなく窺いながらの日々でした。 やがて春になった頃、飲み会があるとかで遅くなるといって出かけました。7時頃 「本当にOKですか」 とメールが来ました。 「大丈夫ですよー」と返信しました。 「うまくことが運んだら、ワン切り入れます。そして遅くなります」 とメールが来ました。 私は帰って、所在無く上の空でテレビを見たりしていましたが、9時過ぎにワン切りが入りました。 今日は最後までカラオケに付き合ったから疲れた、と行って帰ってきたのはもうすぐ明日になる頃でした。 後日ICレコーダーをその男から受け取りましたが、妻を2回も抱いていました。 しばらくして妻に 「良い男が見つかったか」 と聞くと、「なかなかそんな男はいないわよ」 と白々しく応えました。 この妻が他の男と寝たという事実、それは胸騒ぎと興奮と不安とが融合したような、複雑な胸騒ぎを繰りかえし私の中に隆起させました。 不安もありますが、これからが楽しみです。
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