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ページ番号838番
★ 満願成就 ★ まっしぐら (東京) 2011-09-19
満願成就!
ついにやりました。32歳の妻が42歳の男性Mを受け入れたのです。 場所は新宿のラブホテル。Mは所帯持ちで私の大学の先輩。 妻は寝込みを突かれたのです。 少し時間を戻して話を整理しなくてはいけません。 Mは私たちの結婚パーティーでギターを弾きながら歌を唄ってくれました。 お見合い結婚ですから妻とMは面識がありません。 途中で退席するさい私のところにやって来ると耳元で 「いい嫁さんじゃあないか!」とポンと肩を叩くと 「アレまだ、経験してないからな・・・」とニヤリと笑い 「今とは云わんが、いつかやらせろよ。抱かせてやるから・・・」というと去って行きます。 私はその後ろ姿に「先輩光栄です」とか声を掛けたと思う。 なぜかといえば、奥さんは凄い美人だし、我々の憧れの的だったから、軽口としても 「抱かせてやるから・・・」といわれればうれしいし、奥さんに相応しい男前の先輩に 「いつかやらせろよ」と擽られると、正直悪い気はしなかった。 そういわれ結婚式と披露宴を済ませ人妻になったが、多分まだ処女であろう彼女が 友人と談笑している佇まいを遠目に見ると、侵し難いほど美しく思えた。 妻はMがいったように男性経験はなかった。二人の子持ちになると、カラダの肉付も 丸みが増してより女らしくなり、その美しさは冴え渡っていた。 子どもが幼稚園と小学校に入学する頃、私以外の男に抱かれるように提案すると、 30歳目前だったがキッパリ拒絶した。 どうしてそんなことをと驚く妻に私はこう説明した。 「君は今が精神と肉体のバランスがとれて一番美しい。その美しかったことを後年 共に語れる人がほしいんだ」 「じゃ写真に撮っておけば。脱ぐわよ」 「本気か!」 「それであなたの気がすむのでしょう?・・・」と微笑む。 もちろん、瓢箪から駒というか後日、ホテルの部屋や野外で撮らせてもらった。 衣裳もいくつか用意してくるほど積極的だった。 でも、諦め切れなくて閨での行為中に折を見て 「ねぇ~、人生は短いし、一回だけだよ。一回だけ」とか云って動きを止め訴えると 佳境にさしかかり、焦れる妻は息を弾ませながら 「気に入った人がいればね・・・」とうわ言のように繰り返すようになった。 たとえ熱に浮かされた寝屋でのつぶやきにせよ、 私好みの男性がいればいいわよと言わせたのだから天にも昇るように嬉しかった。 まず外濠は埋めたなと。 翌朝出がけに、門まで見送りに来た彼女に昨日約束したことを覚えているか訪ねると「ええ、いい人が見つかったら、あなたに報告をして了解をとることね」と笑う。 昨夜と話のニュアンスは若干違うが、朝の澄み切った空気の中で、条件付きとは言え私以外の男と寝ることを認めたのだから足取りも軽かった。内堀も埋めたなと。 でも、彼女の性格から絶対にそんな人を見つけてくるはずがないと確信していた。 ただ、「いい人見つかった?」と帰宅時の挨拶代わりに訊くことが出来た。 たいてい「ダメよ」なのだが、リップサービスのつもりか、時たま 「いたけど振られちゃった」とか「声を掛けられてお茶したけど、見掛けによらず 厚かましいので振っちゃった」とか残念そうなそぶりをする。これは妻からのサインで、その晩は事の経過を語らせながら慰めることになる。 私の投げかける言葉「そんなに踏ん切りがつかないのなら紹介しようか」とか 「Åの担任みたいのがいいのか」に彼女は萌えに燃えた。 そんなゲームが2年続き、そろそろ振出した約束手形の決済を求めることにした。 妻がお盆に里帰りしたさい母親を連れて来たので、子どもを見てもらい新宿で映画を観た後、軽く食事をしてからMがよく行くジャズバーへ誘う。 一人でピアノを弾いていたが、バンドのメンバーが現れるとカウンターに来たので声を掛けて妻を紹介した。あの時ギターを弾きながら歌ってくれたMさんだと云うとパーッとその顔が華やいだ。 私はアイラモルトのダブルを注文する。 Mは「奥さんには・・・」とバーテンにいい、ブラディ・マリーを頼んだ。 食事のときワインを頼み、妻がグラスで一杯、残りは私が飲んだので、正直いって酒に弱い私はウイスキーのダブルは辛かったが、これからの筋書きを考えると正気を失わない程度に酔っていたい気分だった。 ジャズの演奏が止んでトイレから戻ると妻の前にはソルティー・ドッグが置かれていて、大丈夫かと訊くと、ええ、おいしいのよと笑う。 まぁ、わたし以上に酔っていた方がよさそうだから、それ終わったら帰ろうと促すと 「Mさん、そういうことですから残念ですけど・・・」、とMを見つめる。 案の定イスから降りるとき一瞬ふらっとした。 Mに挨拶をして外に出ると、このまま真っ直ぐ家へ帰りたいとい云ったが、義母が来てから一週間もご無沙汰しているのでホテルに誘う。 「そうね。少し休んで酔いをさましてからでも午前様にはならないわね」 Mと打ち合わせたラブホテルに8時過ぎに入る。携帯のアラームをセットしてバスルームへと消える妻。私はベッドに腰をおろしすと、湯をはじく下肢をガラス越しに眺めながらMに部屋名を連絡する。 終わると背を向けて全裸のまま眠りに落ちた。私は乳房からそっと掌を離し上向きになり、階下の喫茶店にいるMに空メールを送信する。そして部屋の明かりを落としてMを待てば、ほどなく微かな気配がして、小さな窓のカーテン越しに入る僅かな光に彼のシルエットを認める。ベルトを外す音、着衣を脱ぐ衣擦れの音がしてからやや間があってMは私の傍に全裸で立った。私は寝息を確認するとそっとベッドを降りる。 そのときコンドームを装着したMのモノに驚き「テンダリー」と耳元でささやきベッドから離れた。できれば夢の中の出来事みたいなメルヘンチックな世界で終わらせてあげたいとか虫のいい想いがあたまをかすめる。 服を着終わりベッドに目をやると、Mは後ろから抱くようにして乳房の感触を確かめているようだった。 テーブルにあるランプシェードの豆電球を点ければ笠が赤く染まり、天井にボーッと光の環が浮かぶ。私はかねてからの打ち合わせ通りバスルームに入った。 Mは妻の肩を引き仰向けにする。右足を彼女の脚の間に滑りこませると、半身の姿勢から身を起こし手際よく左足も入れて体を開かせる。ずり上がったシーツの端からだらしなく開いた妻の足がのぞく。その間にキチンと鎮座しているMの足はこれから儀式を執り行う神主のようだった。 上半身を支えているMの左腕は見えるが、右腕は見えない。だが見えない手が何をしているかは想像できる。 その手は現れると指先で私にOKサインを出した。しかし、Mは動かない。 妻が覚醒していないことを知っているのだろう。ほどよい酔いと事後の深い眠りから徐々に覚めても相手は夫の私だと思っているのだろうか。 焦れたMは動いた。シーツを取り払うと右手で乳房を愛撫しているらしい。 だが妻の下肢は弛緩したままだった。日焼けしたMの背中は闇に溶け込んでいる。 しばらくしてからベッドの照明をつけると腰を動かしはじめた。 バンザイするように投げ出されていた手はゆっくり枕を掴むように反応している。 動きが止まり、Mの背中に緊張が走った。目が覚めて視線が合ったのだろう。 慌てて彼女の手首を押さえるM。 「奥さん、ご主人のお許しは頂いていますから・・・」 低い落ち着いた声が開けてある浴室のドアを通して聞こえてきた。 妻の顔はまったく見えない。でも頭をフル回転させてこの事態を理解しようとして いることは確かだろう。静寂な時間が流れ、そういう間を与えているMに感心する。 「ご主人は下の喫茶店で心配しながら待っていますから・・・」 Mの慰めるような言葉にもうどうすることも出来ない既成事実を受入れたのだろうか。 Mによれば、そういわれて、妻はそっと目を閉じると目尻から涙がこぼれたそうだ。 多分、その直後に伸びきっていた下肢が徐々に∧字に立ち上がっていくのを 私は見たのだと思う。 男の背中が優しく「揺りかご」の様に動いている。 その肩から妻の白い指先がのぞいている。 Mがまた動きを止めた。肩が左右に揺れている。どうやら唇を求めているらしい。 無言だが妻は嫌がっているのうだろう。 避けているわけは理解できた。彼女は寝起きのキスは口臭を気にして嫌うのだ。 「いま何時ですか?・・・」 消え入るような声に私は痺れた。 上手く説明できないが、このようにハスキーな声を聞いたことはなかったし、 手の内に落ちて10分ぐらい経っていたが、初めて発した言葉だったからだ。 40分も眠っていないことを知った妻は唇を許し、二人の距離は一気に縮む。 「奥さん、十年越しの恋なんですよ。ご主人に何度お願いしたことか・・・」 息を弾ませながらの声と、それに応えるような息遣いに終着が近いことを知る。 バスルームを出てMが果てるのを確認してからベッドの傍らにそっと立った。 気が付いた妻は両手で抱きしめているMの頭から右手を投げ出すと、 私に向かって「バァ~カ」とつぶやくなり目から涙が溢れてきた。 でも、それが私に対する恨みつらみの涙でないことはすぐ分かった。 Mは顔を上げ妻の涙を親指でぬぐうと、私を意識しながらゆっくり唇を塞いでいく。 そして投げ出された右手はふたたびMの頭に戻っていく。 私は次のセッションがありそうな気配に黙って部屋を出て喫茶店へ向かう。 口うるさい義母の手前、午前様にならないよう願いながら・・・。 熱いコーヒーを啜りながら、また義母の顔が頭をよぎる。 遊びに来た彼女に子どもの面倒を見させ、娘にこんなことを経験させるなんて! オレはマゾか、娘ばかりか義母も蹂躙しているのではないか。 何食わぬ顔でただいま~と顔を合わせる自信はない。 遅くなるので先にやすんでくださいと電話を入れた。 了
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