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ページ番号293番
★ 30年のブランク ★ 藤原 博 (四国) 2007-03-05
私はこの4月が来たら60歳になります。3年前妻が他界して一人暮らしています。
毎日が淋しくて長くてやり切れません。ふと36年前に童貞だった私と肉体関係を結んでくれたマッサージ師の彼女のことを思い出した。 私は二十歳の頃から点訳奉仕のボランティアをしていて彼女と親しくなりました。 私が童貞をなくしたのは24歳の時でした。彼女も同い年、彼女はばつ一でした。 道後温泉街でマッサージの仕事で生計を立てています。盲人会の花見の晩、私は彼女たち三人の介添え者になり宴が終わってそれそれのアパートへ送って行く事になりました。道順から彼女が最後になりました。彼女はお礼にマッサージをしてくれる事になったのです。 「下着全部脱いで浴衣に着替えてください。」博は言われるまま浴衣一枚になり横になりました。「博さんのこと全部知りたいから、指で見させて。」そう言って頭から触り始めた。「頭、案外大きいのね、髪の毛ふさふさ、首は短い。目は大き目、眉毛はごついのね。」盲人たちのスキンシップなのです。「ウェストは細め、皮下脂肪は余り無いのね。それから足、」「大事なところを飛ばしましたよ。」博は恥ずかしいくらいに勃起していた。「そこは触ってはいけないの。商売上も禁止されているの。」 確認が終わると肩からだんだん同、腰、足と丁寧にマッサージしてくれた。「明日は仕事お休みでしょう。良かったら泊まっていかない。」「女性一人の暮らしでしょう、皆に変なこと言われると困るから帰ります。僕も婚約者がいて、来年かその次の年に結婚することになっているから。」帰り支度しようとしたとき彼女が「まだ大切なところ見せてもらってないからそこだけ触らせて。」 丁寧に優しくまた強く触られた。若い僕は我慢が出来なくなって彼女に抱きついてキスをした。「貴方、童貞でしょう。わたしでよかったら初夜の予行演習させてあげる。」もう後戻りは出来ない。一気に彼女の中へ挿入した。初めてだったのであっという間に射精した。「今夜は泊まっていって、二人はもう他人じゃないのよ。」博もこのまま帰りたくなっかった。 彼女が離婚したこと。その時も妊娠しなかったことなど、色々と肌を寄せ合いながら 話した。若い二人の男と女。博も童貞喪失で困惑していたが、男になったと言う自信が湧いてきた。二度目の挿入はあっけなく許してくれた。これが性交渉なのか、腰のピストン運動も少しは様になったように思った。突然彼女が「博さんいく、いく、早くいかせて。」「どこへ行くの、どうしたの。」博には何が起こったのか解らなかった。 妻と結婚してからも仕事で道後温泉が入っている時は、前もって彼女に連絡して一夜を過ごすようになった。僕にも現地妻がいる。ひとり誇らしげに思っていた。 そんな関係も30歳まで続いた。彼女に再婚の話が持ち上がったのを機に連絡を絶つことにした。あれから丸30年彼女はどうしているかな。再婚して上手くやっているだろうか。男として何もしてやれなっかとことをしきりに悔やんでいる毎日です。
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