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小話番号1254
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壊れていく私(3)

佐知子 (近畿地方)   2021-12-13
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愛妻小話1219「壊れていく私 」
作品番号1245「壊れていく私(2)」から続きます。
 
梶山さんに言われるままに見知らずの男達に抱かれ、半ば騙された格好で体を売ってしまった事を後悔し罪悪感も覚えていましたが、その行為を思い浮かべると体の奥ではマゾチックな興奮が起こり気分が高揚して心が入り乱れていました。
それでも日常生活が今までと何も変わらずに続くと次第に心も落ち着いて来て後悔や罪悪感は薄れていきました。
梶山さんとの事にはまだわだかまりを持っていても彼の事が気に成り誘われれば断る自信は有りませんでした。
それに彼との付き合いには背徳的なセックスが伴い、男達は誰も避妊具なんて使ってくれないから妊娠が心配でレディースクリニックでピルを処方して貰ったのです。

私は元々妊娠し難い体質でしたがピルを飲み妊娠の心配が無くなるとセックスに対する開放感を覚え、開放感を覚えると梶山さんからの誘いを心待ちにする様に成り、それを見透かしたように彼が誘いの電話を掛けて来たのです。
それからはもう彼とは誘われるままに会い、彼と過ごす時間が増えると今度は彼との関係に慣れて来て夫には無断でホテルに行って事後報告で済ませたり、朝帰りをしたりして彼との付き合い方が大胆でルーズに成っていました。

それでも夫は私を咎めようとはしませんでした。
むしろ『梶山さんと自由に会っても良いし・・朝帰りをしても構わないよ!』と言い、彼から買って貰った服を着て、彼に貰ったネックレスやピアスを肌に付けているのを見ても・・『その服やネックレスは佐知子に良く似合っているよ!』・・嫉妬をしている癖に強がりを言うのです。
それに・・『彼に抱かれて調教され、彼好みの女に変えられていく佐知子に興奮するんだ!』・・まだそんな馬鹿な事を言い、夫の性癖が益々酷く成っていく気がするのです。

夫の性癖が酷くなるのは私にも責任が有るのです。
夫がそれを望んでいるとはいえ梶山さんから誘われるままに会い、化粧や髪型それに服装を彼好みに変えて・・彼が好む女に染めているからなのです。
梶山さんから『お前はもう俺の女だ。』という態度を取られ、夫からは『彼の愛人に成れ!』そんな風に言われると『もう彼の愛人に成ってしまおうか?』そんな気にも成っていました。
それに梶山さんと付き合うと、強い雄に雌が引かれる様に・・『夫とはまるで違う強い男に支配され、身も心も捧げたい。』・・そんな従属願望が芽生えて来て体はもちろん心までもが彼に傾き始めているのです。
私の体は勿論、心までもが彼に惹かれ始めているのを夫も気付いているはずなのです。

梶山さんと付き合いを重ねると彼の事が少しずつ分かって来ました。
学校を卒業してしばらくサラリーマンをしていた彼は、30才の頃、水商売の世界に入り同じ業界に勤める女性と結婚をして二人でスナックを始めたのに奥さんとは離婚してそれからは独身を通しているらしいのです。

それに今、コロナ禍で飲食業界は客足が減り、彼のスナックも営業自粛などで開店休業の日が出るほど客が少なくホステスさん達も辞め一人で頑張って営業を続けているのです。
それでも急にお客さまが大勢来店する事も有り、その日も多くの客が入り『・・今夜だけ・・店を手伝ってくれないか?』と頼まれたのです。
もちろん夫の許しを貰っての事ですが、それから時々彼の店を手伝っています。
最初は素人の私にホステスが出来る訳が無く、彼が作った水割りやカクテル、ビール等をカウンターやボックス席のお客さまに運ぶだけだったのですが、回数を重ねる毎にホステス業に少しずつ慣れて来ました。
それにホステス業に慣れて来るとその業が私には向いている事に気づいたのです。

お客さまから手を握られ、胸やお尻を触られても軽いタッチくらいなら許せるし、酔ったお客さまとの会話も出来、下ネタの話も嫌ではなく、男達が私を欲しそうに見るあの視線に女を感じるからなのです。
そのスナックでの出来事を夫に話したところ目を輝かせながらその話を聞き、本格的にホステスに成る事を勧めて来たのですが、夫の魂胆は見え見えで、『スナックの客と私が・・・』そんな事を考えているのは分かっていました。

今年の春、寮生活をしている娘がコロナ蔓延のため春休みに続いてリモート授業でしばらく帰宅をしていました。
流石に娘が帰っている間は梶山さんと会うのを控え、スナックの手伝いも止めていましたが、娘が学校に帰るとその日に彼に会いたくて堪らなく成り
「スナックを手伝いに行っても良い?」
夫にそう聞いてみると
「良いよ!・・彼に合うのも久しぶりだから抱かれたいのだろう?」
そう言ったから
「・・うん。」
正直に答えると、私が彼と久しぶりに会い彼に抱かれる行為に期待をしているのかギラギラしたマゾチックな目で私を見ていました。

夫は梶山さんとの事を色々と聞いて来るのですが、私はもう自分の気持ちを隠さない事にしていました。
『・・彼の事を好きなのか?』と聞かれれば・・『・・好きでなければ会わないわよ!』と答え・・『俺よりセックスは上手いのか?』と聞かれると『あなたとは比べられない程上手よ!』そんな風に答えているのです。
この間も私を抱きながら『彼のどこが好きなのか?』と聞かれたから、『彼にはあなたが持っていない野生味を感じるし、セックスの相性が良いからかな?・・』・・夫は嫉妬が性的興奮に変わる妙な性癖を持っているから少しオーバーに答えて嫉妬心をくすぐると、異様に興奮してペニスを固く勃起させて夢中で私に抱き付いて来るのですが、そんな夫を可愛いと思うのです。

夫の夕食の準備を急いで終え、シャワーを浴び下着姿のままドレッサーの前の椅子に座って足の爪にネールを塗っていると、夫は私の事が気に成るのか後ろから抱き付きブラジャーの中に手を差し入れ、首筋に唇を這わせて来たのです。
「もう! どうしたのよ・・ネールが塗れないじゃあないの!」
首を竦めて咎めたのに、強引にキスをして来たから舌を絡ませてそれに応えると
「今まで足の爪にネールなんてしていなかっただろう?・・それに派手な色で娼婦の様なネールの仕方だな?・・梶山さんの好みなのか?」
上擦った声で言ったのです。
「彼好みの女に成る様にあなたが仕向けて来たのでしょう?」
苦笑しながら言い、あれからまた寝た男達との行為を思い出していると
「色々な男を経験すると・・佐知子は色気が出て良い女に成って行くよ!」
被虐的な目で私を見ながら言い
「・・なあ?・・今夜、スナックで良い客が来たら誘惑して寝ろよ!」
またその事を持ち出して来たのです。
「・・そんな事は無理だって言っているでしょう?」
そう言って諭しても・・私が行きずりの男と寝る事を期待している夫に、私の話が通じる筈がなく益々夫に危ういものを感じていました。

午後6時過ぎに店に行くと馴染みのお客さまが一人、カウンターに座って飲んでいました。
「おはようございます。」
梶山さんとお客さま二人に挨拶をしてカウンターに入ると
「マスターから今日は久し振りにサチコさんが来るって聞いたから楽しみにしていたんだよ!・・それにしても見る度に綺麗に成るな!・・男でも出来たのか?」
そう言って茶化して来たから
「井上さんが来ていると思ったから厚化粧をして来たのよ。」
冗談で返し、俯き加減でウィスキーの水割りを作っていると、誰もが見る様に・・そのお客さまも大きく開いたワンピースの胸に熱い視線を向けて来ました。

そのお客さまは2時間ほど居ましたがもう誰も来ず8時半過ぎに店を閉めていると、黒い長袖のシャツを着た中年の男が入って来たのです。
「すみません。・・」・・『もう閉店です』と言いかけると
「あっ!・・伊藤さん・・。」  
梶山さんがへりくだった態度で男の名前を『さん』付けで呼び、私と男を交互に見たから嫌な予感がしたのです。

二人はカウンターの端に座って何かを話していました。
私はカウンターの中で洗ったグラスを拭きながら二人の様子を伺っていると、話しの合間にチラチラと私を見る男の視線が気に成って仕方が無く、聞き耳を立てていると・・『デリヘル』とか『ソープ』・・そんな単語に混じって『・紹介をしてもらった・・あの女・・?』そんな言葉も聞こえて来たのです。

梶山さんに言われるままに行きずりの男と寝て、娼婦の真似事までしている私には『その言葉の意味が何か? その話の内容から何を話しているか?』が分かっていたし、その伊藤と呼んだ男に対して本能的に危険を感じ取り心に騒擾感が起こっていたから早くこの場を離れたくなり急いでグラスを拭き終えその場を離れようとすると
「佐知子・・ウィスキーを持って来てくれよ!」
梶山さんが私を引き留める様に声を掛けて来たのです。

彼から声を掛けられると仕方なく・・ウィスキーボトルと氷、それに水やグラスをトレイに乗せてその席に行くと
「俺が世話になっている・・伊藤さんだよ。」
そう紹介されたから
「・・サチコです。」
そんな風に答えると
「・・・」
何も言わずに私の体を上から下まで舐める様に見ていましたが、その男の目は凄みがあり梶山さんとはまた違う怖い男だと感じ取っていました。

その男は梶山さんと仕事の話をして30分ほどで帰り、その男が帰ると
「・・なあ佐知子?・・彼は・・俺が世話に成っている方でなぁ・・。」
梶山さんがそう切り出して来たのです。
「・・・」
この後、彼が何を言いたいのか私にはもう分かっていました。
でもあの目を思い出すと怖くなって黙っていると
「・・伊藤さんが泊まっているホテルに行ってくれよ!」
有無を言わさぬ口調で言ったのです。
その口調は『お前がホテルに行ってくれないと俺が困るよ!』そう言っている風に聞こえたし・・『俺の女なら俺の言う通りにするのは当たり前だろう?』そんな態度にも見え、それでもあの男が怖くて黙っていると今度は宥め賺して来たが、このまま拒んでいると凄んできそうな気がしたから仕方なく承諾したのです。

店を閉め、タクシーを拾って乗ると、彼が運転手さんに性風俗店がひしめく歓楽街に行くように言ったのです。
タクシーが走り始めると、少しは気が咎めるのか彼は私の膝に手を置いて撫でて来たが、私は黙って車窓から街の夜景を見ていました。
タクシーがその歓楽街に近づくと不安な気持ちには成っていましたが、もう見知らずの男に抱かれる事に慣れ・・むしろ行きずりの男に抱かれる時に覚える妙な興奮と高揚感が起こっていました。

タクシーを区役所近くの公園前で降り、彼に連れられて風俗店がひしめき合う歓楽街を歩きましたが、コロナ蔓延で歓楽街も短縮営業や営業自粛をしているため、まだ午後9時を過ぎたばかりなのに多くの風俗店のネオンや照明が消え閑散として人通りはほとんどなく、ギラギラと派手な装飾のラブホテルだけが目立ち、ひっそりと営業をしている飲食店が淋しそうに見えました。

男が泊まっているホテルの前まで行くと、彼が私の背中をポンポンと数回叩き、その後、背中を撫でながら
「俺が世話になっている人だから・・うまく遊ばせてやってくれよ!」
娼婦を見る様な目で見て卑猥な笑いを浮かべて言ったのです。

ホテル玄関の自動ドアから入ってロビーに行くと数人の男女がソファに座っていました。
その中に一人、足を組んでスマホを見ている女が居ましたが、その女は垢抜けしたシックな服を着ているのに雰囲気が素人には見えず、その女の強い視線を受けながらロビーを歩いてエレベーターホールまで行ったのですが・・『私もあの女の様な雰囲気を持った女に見えるのだろうか?』・・そんな事が頭に浮かんでいました。

エレベーターで15階に上がるとそのホールは静かで物音ひとつせず、厚い絨毯を敷いた廊下を歩き梶山さんから教えられた部屋の前に立つと胸の鼓動が速まって来ました。
今までは梶山さんに連れられて部屋まで行き見知らぬ男に抱かれていたのに、男が待つホテルの部屋を自分一人で訪れるのは初めてで、娼婦の様な気持ちに陥っていたからですが、深く息を吸い込みゆっくりと吐き出すと心が少し落ち着いてきました。

チャイムを鳴らすとドアが開き、中に入ると甘たるい匂いが充満し、室内はフロアスタンドの小さな光だけで薄暗く、カーテンが開けられた窓から街の明かりとその向こうに港の明かりが窓一杯に広がっていました。
ひどく緊張しているのに、その時なぜか港の明かりが美しく見え、その明かりを見ているとさっき店に来ていた伊藤という男が
「よく来たな!・・まずシャワーを浴びて来いよ。」
酔っているのか呂律の怪しい口調で言ったのです。

シャワーを浴び、全裸の上にバスローブを着てフロアに戻ると男は窓際のティテーブルに座ってワインを飲んでいました。
言われるままに向かい合ったソファに座ると
「・・梶山の好きそうな女だなぁ!」
そう言ってしげしげと私を見て
「綺麗な顔をしていて・・男が好む形の良い唇をしている!」
私を値踏みする様に言ったのです。
私は男から目を逸らせたが、フロアスタンドの光に照らされた男の目は焦点が定まらず虚ろに宙を見ている様に見えましたが
「・・男心をそそる良い体で・・梶山には勿体ない!」
今度は遠慮のない口調で私の体を品評するように言ったのです。

男は空に成ったグラスにワインを注ぎ、金属のトレイにあらかじめワインを注いで置いていたグラスを渡してくれ
「・・お前も飲めよ!」
そう言ってワインを勧めてくれたのです。
そのワインは高級そうで香りが良く、甘酸っぱくて飲みやすく、少しずつ口に含んで全てを飲み乾すと
「今夜・・今まで味わった事が無い・・良い思いが出来るぞ!」
ニャニャしながら言ったのです。

男はグラスのワインを飲み乾すと『ベッドに行こう。』と誘って来て、立ち上がってバスローブを脱いで全裸になると、その異様な姿に体が凍り付いてしまったのです。
それは・・両肩から背中一杯に刺青を彫っていたからなのですが、呂律が怪しく酔ってフラフラとしているのにペニスは勃起していました。
その姿が異様に見えて怖く成りここに来た事を後悔したのに、心の奥に潜むあの堕落願望を持った別の私が現れ・・『こんな男に乱暴に犯されるのが・・今まであなたが望んでいた事じゃあなかったの!』・・そんな声が聞こえて来たのです。

男にバスローブを脱がされ全裸にされてキスをされると、この部屋に充満している甘い匂いと同じ匂いが男の口から臭って来ました。
その匂いが鼻に付いたのにその匂いに直ぐに慣れ、匂いに慣れると頭が異様に冴えて来て、胸の動悸が速くなり、首筋に唇を這わされるとその唇の動きがくすぐったくて堪りませんでした。

ベッドに運ばれ仰向けに寝させられると、今まで私を抱いた男達、誰もがする様にこの男も私の両膝を折って足を開き、股間を覗き込んで指で花唇を弄って来たのに羞恥心が起こらず、その行為が可笑しくて足をもっと広げて花唇を見せ付けたくなり、両足をゆっくりと広げると妙な興奮でドクドクと波打つ自分の胸の鼓動が聞こえて来たのです。

「・・このお〇〇こで何人の男を咥えたんだ?」
そんな失礼な事を聞かれたのに腹が立たず、怪しい呂律で喋るその言葉が頭の中でこだまして『私を抱いた男の数って夫も含めるのだろうか?』そんな想いが頭に浮かび、もう忘れかけている男達の顔やその男達とのセックスの情景を思い出し
「・・7人?・・いや8人かな?」
自分を抱いた男の数に夫を足し、何の抵抗もなく喋ってしまったのです。

男が私の上に乗って来てまたキスを求めて来たから、そのキスに応えて舌を絡ませながら刺青を彫った背中に腕を回して抱き付くと、その肌は汗をかきべっとりとして冷たく、この男にこのまま抱かれてしまう自分を思うと妙な興奮に襲われ、鳥肌が立ち、流れる血が冷たく感じ、その血液が全身を逆流している様な感覚が起こって来たのです。

そんな感覚が起こると体全体が性感帯に成った様に、男の手が肌の上を這うと無意識に体がピクッと震え、乳房を握って乳首を吸われると頭から足の先まで体全体が反応し、次々と湧き起って来る快感に思わず体を反らせていました。
「どうだ?・感じて来ただろう?・・今夜は寝ないで朝までやってやるよ!」
男が乳房を乱暴に強く握って言ったが、その時、初めてあのワインに何か薬を入れて飲まされた気がし、男も何か薬を飲んでいる気がしたのです。

男が私の上に跨って立ち
「・・チ×ポを咥えろ!」
賤しむ様に命令口調で言われたが、その行為が男を喜ばせ・・男が最初に望む行為だと梶山さんから散々教えられているから・・上半身を起こし、勃起したペニスを握って口に咥え、教えられた通りに舌を亀頭に絡ませながら頭を前後に動かし、片方の手で陰袋を揉みほしていると
「お前の・・口技は・・絶品だな!」
そう言って誉めてくれ
「う~~~~ん・・う~~~~ん・・・・・」
体を大きく揺らして唸り始めると、直ぐにペニスを太く硬くして
「おっ・・おうっ・・・!」
大きく叫んで、ペニスを脈動させながら口内に射精をしたのです。
今まで私を抱いた男は誰もが射精をすればそのペニスは萎えるのに、咥えたペニスの太さも硬さも変わらずにいました。

しばらくすると、男が私の両足を割って下半身を入れて来たから体を捻ってペニスを握り、そのペニスの先端を自ら花唇の入り口に導くと
「お前・・奴から・・女のテクニックを相当仕込まれているな?」
そう言いながら腰を進めて来たのです。
花唇の中も過敏に成っているからか、ペニスが体の中に入って来るとそのペニスが途方もなく太く感じ
「・・嫌!・・嫌!・・太~~ぃ!・・太い・太い!」
そう叫んでいました。

男が腰を動かしペニスを体深くまで刺されると、体が宙を舞い 体がバラバラに成ってしまいそうな快感で思わず男に強く抱き付いて
「ヒィ~・ヒィェ~~~~~~・・オウゥ~~~~~~・・」
耳をつんざく声でよがり・・獣が吠える様な喘ぎを発していました。
「・・もっと泣け!・・もっと・もっと気持ち良くなるからなぁ・・!」
「・・お前、旦那公認で・・男達と遊んでいるんだって・・?」
そんな誰にも知られたくない事を聞いて来たのです。
そんな事には答えたくないのに気分が高揚しているからか
「・・・」
無言で頷き肯定すると
「・・今夜は・・俺が・・たっぷり可愛がって・・遊んでやるよ。」
呂律の怪しい口調で言ったのです。

そのセックスの快感は強烈でした。
彼のペニスは硬くて持続力が有り、長い時間、私の体の中で出入りを繰り返されると絶頂感が永遠に続くかと思うほどの強烈な快感が続き、その快感に耐えられず獣の様に吠え、意識が薄れたり戻ったりしながら体をくねらせ震わせていました。
そんな快感が長く続き、どこで記憶が飛んだのかも分からず・・気が付くと男はベッドから出て全裸で窓際のティテーブルに座ってワインを飲んでいました。

時刻はもう午前2時近くに成っていました。
汗をかきべっとりと濡れた体と、何度も射精をされた股間を不快に感じ、シャワーを浴びて戻って来ると男はベッドに腰を掛け、ワインを入れたグラスを持って私を待っていました。
その時、私はひどく疲れていたのにそのワインを飲むと、また頭が冴え、気分は高揚してきて、さっきの強烈なセックスの快感の余韻がまだ体に残っていたから、抱いて欲しくて男に抱き付くと
「・・俺が欲しいのか?」
聞いて来たから
「・・欲しい!・欲しいの!・・!お願いだからチ×ポを入れて・・!」
梶山さんに抱かれる毎に言わされているからか、卑猥な言葉を無意識に吐いて男に媚びてセックスをねだっていました。

男が私を押し倒して上に乗って来てペニスを私の中に刺しながら
「・・もっと淫乱に成って・・女を全部さらけ出してみろよ!」
そんな風に言い
「男が好きか?・・チ×ポが好きか?」
そう聞いて来たのです。
もう思考能力が無くなり
「・・好き好き・・男が好き!・・チ×ポも好き!」
女の本能で答えると、男はペニスを動かし始め・・『俺のチ×ポは気持ちが良いか?』と聞かれたから『・・良い!・・良い!・・気持ちが良いの!』と答えると
「セックス好きな女は・・抱きがいが有るよ。」
卑賎的な言葉を投げ掛けられ、速くペニスを動かされると、またあの絶頂感が続く強烈な快感が怒涛の様に襲って来たのです。

「淫乱で・・男が好きだから・・売春もやれるのだろう?」
そんな言葉を浴びせて来ましたが・・私はもう知っていました。
梶山さんが私を行きずりの男に抱かせたり、娼婦の真似事をさせたりするのは・・彼が
風俗店に女性を紹介する女衒の様な事をしている男だと早くから気づいていたし、この男が梶山さんから女を紹介して貰っている事も感づいていたのです。

「それに旦那は・・お前が風俗に入る事を望んでいるらしいな?」
梶山さんから聞いたのか男はそんな事まで知っていました。
私はセックスの快感で体を反らせ、体を震わせながら喘いでいるのに‥『夫にこの事を話せば喜んでくれるだろうか?』そんな想いを頭に浮べていました。
その時、また男が射精を催して来たのか、私に強く抱き付いて腰を速く動かすと、強烈な快感が襲って来て頭が白くなり始めた時
「・・梶山から・・お前を譲り受けて・・俺の女にしてやっても良いんだぞ!」
そんな声が聞こえ
「・・俺の店で風俗嬢をやれよ!・・お前なら良い男が沢山付くぞ!」
そんな声が聞こえて来ました。
「・・・!」
私はさすがに怖く成り、夢中で首を左右に振って拒否したのです。

それから男は長い間、私を抱き、私はその間中あの絶頂感が続く快感に襲われ、目覚めると部屋に男は居らず独りベッドで寝ていました。
股間にはまだ何かが刺さった様な感触が残り・・体の節々や頭が痛く、疲労と倦怠感を覚え、昨夜の事を思い出すとここに来た事を後悔しました。
フロアのティテーブルの上には二つに折った数枚のお札の上に私のスマホが置いてあり、そのスマホを開けて時計を見るともう午前10時を過ぎていました。

シャワーに行き、熱い湯を体にかけると倦怠感が少し取れたが、昨夜の事を少しずつ思い返していると不安に成っていました。
男の背中に彫られた刺青の事や妙な薬を飲まされた事・・それに『・・俺の女にしてやっても良いんだぞ!』そんな声や『風俗嬢をやれよ!』と迫られた事を思い出したからなのです。

そんな事を思い出していると夫の姿が頭に浮かんで来て『この事をどの様に話そうか?』そう考えているとスマホの着信音が鳴ったのです。
電話は梶山さんからで受話器を押すと
「・・ありがとうなぁ!・・伊藤さんはお前に満足して誉めていたよ!」
そう言って労ってくれ
「・・彼の店で世話になるんだって?」
そう聞いて来たのです。
風俗嬢の話だと思ったから
「風俗嬢の話なら断ったわよ。」
慌てて答えると
「お前なら大丈夫だよ!・・伊藤さんが世話をすると言っているのだから俺の顔を立てて少しだけやってみろよ。」
「・・・」
梶山さんの話に大きなため息が出ました。
私はもう鵜飼の鵜匠に操られる鵜の様に長い紐の端を首に掛けられ、梶山さんにその紐で操られながら夫の願望通りに風俗嬢に堕ち,もう確実に私は壊れていくと思ったのです。


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