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小話番号1182
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同級会での出来事 、、の続き

みかん  ((伊豆の近く))   2019-10-08
  感想集

「う~ん」あれからもうずいぶん経った。
3人の子持ちの同級生と結構楽しんでいたけど、縁あって取引先の男と結婚をした。それを機会に、かの同級生とのおつきあいは終了となった。
それは当然と言えば当然のことで私もその辺の割り切りは良いほうだと思っている。
ところが結婚してみると「忙しい忙しい」の連続で帰りも遅いし、いつも疲れ果てた顔をしている。
自分の旦那だから大事にしないといけないと思っているので私も仕事で疲れているが、それでも食事は手を抜かないように尽くしている。
当然のことながら、夜の営みはほとんどと言ってもよいくらいない。
結構優しい彼は、、たまには抱いてくれる。というより罪悪感からか手を出してくる。
そんな時は甘えてみるが最後は騎乗位でないと無理、、、、そんな気ぜわしい都会の生活の中で、なんとなく疲れてふっと田舎に帰りたくなった。
主人も誘ってと思ったが、親戚の法事と言って一人で帰った。
一人だと両親も気楽なのか、「一緒に帰ればいいのに」と言いながら嬉しそうだった。
愛犬を連れてぶらぶらしていたが、疲れたので神社の階段に座って周りを見渡すと、もう秋の気配だった。
空は青く田んぼは黄色くなってむっとした気配はもうない。いつの間にか時は流れもう秋なんだと、こんな感じであと何年かするともう40代かと思うと急にさみしくなって泣きそうになった。
そうしていると急に同級生のことが脳裏に浮かび、手にはスマホをにぎっていた、どうかな~と思いながら呼び出すと、いきなり「オーなんだぁ~」という声が聞こえた。
そして「今どこだぁ~」と少々無遠慮な声が聞こえてきた。
その声を聴くとなぜか泣きそうになった。前はいつも自分が手綱を持っていたと思っていたのに、いつもと変わらない声でそう言われるとなぜか言葉に詰まりぐっと来た。
「今神社にいるの」と細い声で言うと「お~分かった、今行くわ」と言って切った。
しばらくすると軽四トラックに乗って来て、バタバタと降りるや「いつ帰ったんじゃ」大きな声で言いながらやってきた。
いつ見ても「がさつだなぁ」と思いながらも、人間味あふれるそのしぐさと懐かしさに思わず涙が出そうになった。
遠了気味に「良かったの?」と聞くと不思議に思ったのか「何で?」と言いながら顔を覗き込み「なんだ、泣いとるのか?ふ~ん」と言って肩をポンポンとたたいた。
そして「まあ~乗れよ」と言って犬を荷台の乗せると、背中を抱くようにして助手席に押し込まれた。
そして何も言わずに高台にある彼のミカン畑に連れていかれた。ここには何度か来たことがあった。
消防士をしている彼は、今日は非番でミカンの手入れをしていたようだった、車から降りると海の見えるところまで歩いて行った。陽が傾いて伊豆の海がキラキラと黄金色に輝き、我を忘れそうなくらい感動している自分がいた。
いつだったか、前にもこの風景を見たような気がして見とれていると、後ろからそっと抱いてきた。
以前だったら「残念、、、」と言いながらかわすところだったが、今日は思いっきり抱きしめてほしいと思った。それが分かったのか彼は強く抱きしめるとしばらくして「どうしたんだ?」と言った。
「何でもないの」と言ったけど、誰にも甘えることができなかった自分がたった一人だけ甘えられる男が彼だった。
もちろん3人の子持ちだけど、、、
そして「荷物を取ってくる」と言いながら小屋に向かった彼の後をついて行った私は、そこで彼に抱かれた。
相変わらず体力のある彼は小柄な私を膝に乗せ、ブルーシートの上で二人して果てた。何年ぶりかの開放感あふれるセックスだった。
母屋の離れの部屋に、その夜忍んで来ることももちろん約束をした。主人にはすまないと思ったが、、生身の体には必要なセックスもあると確信に似たものが芽生えていた。
これは今から3年前のことで、、、、今でも帰省するとそっと逢っています。