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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

525.バレンタインパーテー①

バレンタインデーの2日前の深夜、妻は植村氏が主催するバレンタインパーテーに出かけた。招待状をもらったのは年末で、それは黒岩氏が主催する新年会の案内状が届いた数日後だった。
招待状はこの種のパーテーにしては立派すぎる形式に驚いた。
黒岩氏のパーテー参加の返事をした翌日に植村氏からの招待状が届いたので戸惑ったことは確かだ。開催日が近かったので躊躇した。
夫婦で相談した結果両方に出席することにした。それは招待状の内容に強い興味を持ったからである。

招待状の内容を紹介する。
<師走の候、皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃はウエムラグループをご愛顧いただき有難うございます。
この度、お客様感謝のイベントとしてバレンタインパーテーを企画しました。
今回のパーテーは秋に開催した〝ソープ講習会〟に参加したご夫人を中心にご招待いたします。
ご出席されるご夫人様は単独参加をお願いし、パートナーさまの参加はご遠慮ください。
今回のパーテーにはご夫人様のワンナイトパートナーとして単独男性を招待します。男性はウエムラグループのVIP顧客の中から更に選ばれたエグゼクティブ顧客です。ご夫人様には十分にお楽しみいただけるものと確信しております。
下記の要領で開催しますのでご参加していただきたくよろしくお願い申し上げます。

会場Ⅰ(ウエルカムパーテー):会員制クラブ〇〇〇
住所:東京都○○区××丁目電話03-***-****)
会場Ⅱ(ミッドナイトパーテー):会員制ソープランド〇〇店にて
*今回のミッドナイトパーテーには当店のソープ嬢は参加しません
開催日時:2月12日11:30pmより(12:00までにご入場ください)
*ドレスコード:セミフォーマルドレス(ポストパーテー用のナイトドレス持参)
*特別企画今回出席されるご夫人のパートナー様には特別にミッドナイトパーテーの情報提供を検討しています。
*ご出席のご返事は下記のメールアドレスにお願いいたします。
e-mail:***@***.com


村氏からのパーテー招待状を見た時、真っ先に思い浮かんだのは初秋のまだ暑さが残るころに行われた〝ソープランド講習会〟だった。
愛する妻がソープ嬢として見知らぬ男に性的サービスを施す。〝寝取られ夫族〟には最高のシュチエーションだ。
前回はプロのソープ嬢が付いていて、妻たちにソープテクニックを実際のプレーで講習する内容だった。それでも神田氏から断片的に送られてくる画像に大いに興奮したものだ。しかし、今回はそれ以上に〝寝取られ癖〟を刺激する。
前回の〝ソープ講習会〟は男性パートナーの同伴を認めていたが、今回のバレンタインパーテーは男性パートナーを排除して妻たちだけの参加を求める、いわゆる完全な〝貸出しプレー〟を目的にしている。
妻たちのプレー相手も夫や男性パートナーの参加を認めず、VIP顧客に限定しているのはウエムラグループの重要な顧客に〝バレンタインディー〟のプレゼントとして素人の女性を提供する?が目的?
ソープ嬢やクラブホステスのようなプロの女性たちとの遊びに飽きた好色な男たちにとって素人の女性、しかも人妻との遊びは非常に新鮮で嬉しいプレゼントかもしれない。前回の〝ソープ講習会〟の実習プレーでも、非常に好評だったと聞いている。今回の企画も顧客からの強い要望なのかもしれない。
日常的に見知らぬ男と女が意図的に出会うグループイベントは少人数の合コンや大人数の婚活パーテーが思い浮かぶが、その他にもセックスを目的に出会う風俗店が存在する。その以外に決して表社会に現れることが無い、非日常的な出会いもある。いわゆるSWPやオージーパーテーである。
今回、植村氏が企画した〝バレンタインパーテー〟ある意味では究極の非日常的な男女が出会うイベントである。
一般的に非日常的出会いを実現する主な基本要素は<更なる性的快楽を求める淫乱女>、<女体開拓に生き甲斐を求める好色男>、<男と女に出会いの場所や仲介を提供することを生業にしている者>の3点である。
しかし、今回の〝究極〟と表現した理由は上記の3点に<女のパートナーが寝取られ性癖者>の存在だ。もし、<女のパートナーが寝取られ性癖者>でなければこの企画は100%実行されることはない。夫やパートナーが、彼の妻や愛人がソープランドで初対面の男たちとセックスすることを認めることが絶対条件なのだ。それによって妻も男も安心してセックスに没入できる。
植村氏からの招待状を受け取った夜、私たちは寝室で話し合った。
「志保はこのパーテーに興味があるの?」
「うふふふ、〝ソープランド研修〟を思い出しちゃったわ。セックスだけを目的に造られた個室で大人の男女が出会うのよ。ソープ嬢はまったくの初対面の人と・・・、イヤなタイプの男性でも求められるままに受け入れるのよ。そのことを考えるとドキドキするわ」
「あの時、キミも色々求められたんだろう?アナルプレーも・・・」
「確かにお尻を求められたけど、私はプロのソープ嬢じゃないからお断りしたわ」
「大野さんとか言う老舗の旦那だろう?キミはけっこう気に入っていたんじゃないの?」
「大野さんは女性の扱い方がとても上手で女性をその気にさせるプレーボーイだったわ。今回も参加するのかしら?それに比べて外人さんとはあまり会いたくないわ。だって、セックスだけなんだもの・・・」
「今回はウエムラグループのVIP顧客らしいから、どんな男性が参加するのか分からないよね?ウエムラグループってソープランド以外に居酒屋やスナック、それにキャバクラや高級ナイトクラブまで幅広く経営しているんだろう?それらの店の顧客の中から選ぶんだから、かなり売り上げに貢献している人たちなんだろうねぇ。個人はもちろん例えば会社ぐるみで利用するとしたら相当な金額になるからねぇ。きっと。中小企業のオーナー社長かもしれないよ。いずれにしても、植村さんが選ぶんだから、経済的に余裕があって、遊び上手でスケベな紳士で、その上性豪家なんだろうねぇ。一回戦でギブアップするような男じゃ女性から嫌われるからなぁ」
「時間が平日の深夜だけど・・・」
「それは風営法と関係があるからだと思うよ。ナイトクラブやソープランドの営業は12時までなんだ。パーテーは営業が終わった後に開催するんだ。集合場所のナイトクラブは11時以降は貸し切りにして、12時にはホステスを帰してからパーテーを始めるんだろう。ソープランドは12時で閉店してソープ嬢だけを帰してその後は数人の男性スタッフでサービスを提供するんだろね、きっと」
「私、ちょっと疑問があるんだけど、クラブでパーテーを始めて、その後ソープランドに移動するんでしょう?セックスをするのにわざわざソープランドに行く必要があるのかしら?セックスが目的なら小さなホテルを貸し切ってパーテーと個室プレーを一ヵ所ですれば便利だと思うけど・・・」
妻の疑問はもっともだと思う。私も同じ疑問を感じていた。
「確かにそうだよね。しかし、それだと、風俗業者の出会いパーテーやハプニングバーとあまり変わらないからじゃないかなぁ。プレーする場所がソープランドだから意味があるんじゃないかなぁ。特に素人の奥さんたちには・・・」
「そうねぇ、やはりソープランドはそれだけですごく淫靡なイメージがあるわ。昔のお女郎さんのような、豪華なお部屋で綺麗な着物で着飾っているけど、その本質はお客に性的サービスと身体を売るの。ソープランド講習会でそのことが解ったわ。その見返りがお金で、ソープ嬢のランクによって金額に大きな差がある点も遊女と同じだってことも・・・」
「でも、あの時はエッチな有閑マダムたちのお遊びだろう?」
「ううん、最初、私たちは彼女たちと違う世界の人間と思って見下していたんだけど、実習プレーで実際にお客をとることになった時に彼女たちがセックスのプロなんだと分ったわ。セックスや体を使ってお金を稼ぐことは大変な努力が必要なんだと思ったわ」
「しかし、それは考え過ぎじゃないかなぁ。確かにソープ嬢は相手を選ぶことが出来ないけど、その代わりサラリーマンの給料の何倍も稼いでいるんだから。それに、それがイヤなら止めればいいし、そこが昔の遊女と違うところじゃないかな。ソープ嬢になったのは色々な事情があるにしても彼女たちは自分の意思で今の仕事をしていると思うよ」
「それは分るけど、ソープランドの個室があの人たちの職場なら、私たちはただのお遊びで使うわけでしょう?それを考えるとあの人たちはどう思うかしら」
妻の予想外の問いかけに戸惑う。
「彼女たちには個室にそれほど強い愛着は無いと思うよ。なぜなら一つの部屋を何人かのソープ嬢で使っているらしいよ。それで個室には個人的な持ち物は一切無いそうだ。だからキミが気にする必要が無いと思うよ」
「ふぅ~ん、そうなっているんだ。それならいいわ」
私は咄嗟に答えたが、それが正しいかどうか分からない。もしかしたら妻の方が正しいかもしれない。
オランダの飾り窓の娼婦は自分の部屋を持っている。しかし、建物のオーナーがいて彼女たちは間借りしている。部屋代を稼ぐだけの客がついている場合は長期に借りられるが、稼ぎ少なくなると出て行かなければならない。借りている間は自分の部屋なので好みのインテリアや小物で飾っている。娼婦の中には客からプレゼントされた人形や小物を置いているが、意外に日本の物が多いそうだ。日本男子も海外で頑張っているようだが最近はチャイニーズパワーが爆買いしているそうだ。
「ところで、キミはどうしたいの?参加したい?それとも断る?」
妻が納得したので気持ちを聞く。
「そうねぇ、正直に言うと少し迷っているの。2週続けて私だけ出かけることになるでしょう?」
「ショウタのこと?」
「うん、今まで2週続けて出かけたことがないから・・・」
「黒岩さんのパーテーは泊りがけだけど、植村さんのパーテーは深夜だから、ショウタが寝た後で出かけて起きる前に帰ってくればいいから問題ないんじゃないかなぁ。それに僕もいるし・・・」
「そうだけど、平日でしょう?帰りは迎えに来てもらいたいけど、貴方は大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ、ちょっと眠いけど、時期的に仕事は未だそれ程忙しくないから、ちゃんと送り迎えするからさぁ、心配しなくてもいいよ」
「神田さんご夫婦にも招待状が届いているかしら?」
「きっと届いていると思うけど、明日、聞いてみたら?」
「そうね、由美さんに電話してみるわ」

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