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日記番号:1073

淫の刻印

アスカ(京都)


  感想集

293 大阪 飛田新地

つらなる料理旅館、どの入口も、豪華な花が、生けられ、若い艶っぽい女が、座り、番台には、しわがれた声で、男達を誘い込む、やり手の年増し女が、座っていた。開け放たれた玄関先を男達が、覗きこみ、女の品定めをしていた。

「にいちゃん~いい子が、おるでぇ~遊んでいきやぁ~」「ちょつと~社長~ええ子、おんねぇ~どない…」

客の男が、女中などと、偶然、出会い、恋に落ちて、男女の行為に及んでしまった。たまたま、旅館の中で…男女の恋に、警察が、介入するのは、いかがなものか?

京都伏見の大和は、10年ぶりに、飛田に来た。若い頃は、毎週のように遊びに来た。そこのある女将の娘と男女の仲になり、40年…たまに、京都に呼んでいる。
「あら…あんた。忙しいのに…ごめんな~」
「どないしたんや…情けない声で、電話してきて…」
「ちゃうねん…奈良のチンピラの澤近と言う男が、女を預かってくれといってなあ~女を置いてきぼりにして、さっさと帰ったんやわ~訳ありの女やったら、いややさかい…あんたを呼んだんやわ…」
「あのアホ…女をオレから借金して買って、もて余したんやな…ヤクザにもなれない男が、いてもうたろか…今、女は、いるのか?」

「ほな…呼ぶわ…二階で、じっくり話を聞いてやって…汗かいたやろ…準備するさかい風呂に入っててな…」
風呂に入った大和が、浴衣に着替えて、くつろいでいると、障子の向こうから、女の声が、した。

「おじゃまします。」

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