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日記番号:1074

単身赴任と夫婦交際!そして今日

潮風 (四国)


  感想集

「ホームトーク」との出会い(2)

 8畳間位の小さな土間に所狭しと様々な本がある、探しているのはオカズになりそうなエロ本、そんな本は堂々と正面に無いのが常、隅っこの方を探しているとレジと向かいあう角にそれらしきコーナーを見つけた。どぎついフルヌードのグラビア誌が並ぶ中に、B5版位の一冊の本を見つけた、表紙にはセミヌードの顔の見えない写真、どう見てもプロのモデルには見えない。ホームトークのタイトル、2センチ位の厚みがあるが、写真誌にも見えず、手にとって見るがナイロン袋に入れてあって中は見えない。そんな私を見てか、レジの女性が声をかけて来た、
「その本興味ありますか?」 白髪の和服姿で70代位のとても上品そうなおばあちゃんだった。 照れ笑いしながら、
「普通のエロ本とチョット違う感じがしたので」 と返すと、
「少しマニアックな方の愛読書ですのよ」
「結構ファンの方がいらっしゃいましてね、遠くからわざわざ買いに来てくださる方も多いんですのよ!」「取り扱ってる店も少ないものですから」
そう言いながらレジの下から、同じような本を一冊取り出してくれた、
「これ先月号ですけれど、中ご覧になってください」
「夫婦交際、夫婦交換、って聞いた事あります?若い方にはスワップと言ったほうが解り易いのかしら?」上品な笑顔で話しかけてくれる。
 もう若くも無いのだがスワップと言うのは聞いた事がある、二組の夫婦が妻を入れ替えてセックスする事は知識として知っていた、しかしそれは小説の中の世界で現実には存在しない架空のものと思っていた、仮にそんな思考が在ったとしても、その相手を探すすべも無いだろうと思っていた。
受け取った本をパラパラめくってみると、名刺大の写真が並び、自己紹介や趣味趣向、等書き連ねお相手を募って居るのである。写真はきわどいセミヌードもあるが殆どが、下着姿や露出度の多い普段着、見るからに普通の奥様の感じだった。
 そう、これはその探すすべも無い相手を探すべく仲介してくれる本だった。
しかし頭の隅には「さくら」「ヤラセ」そんな言葉が疑念として残った
 女将さんは「買いに来てくださるのはほとんど常連の方です。御夫婦で買いに来てくださる方もいらっしゃいます」「その方オープンな御夫婦で、素敵な御夫婦とお知り合いになりました。とっても素敵な夢の様な経験させていただきました」と喜んで帰られました。 「ホームダイヤモンドと言う出版社なんですが、もう何十年の老舗です、営業の方とも何度もお話した事がありますが、決して怪しい会社ではありません。そんな話をしてくれた。そんな訳で値段は少し高めだったが、購入して帰った。これが私達夫婦の夫婦交際の幕開けに成ろうとはその時は思っても見なかった

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