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日記番号:747

夢は妻とともに…

傍観者(関東)


  感想集

夢と現実が交わる時

小さく縦に振った頭をあげることなく、美枝子は動かなくなった。
その美枝子に、吉沢さんが耳元で今度は囁くように何かを言い聞かせている。

「………………、……………………。」

「…………………」

そして囁き合いが済むと、耳元から離れてゆく吉沢さんを追うように、美枝子は頭をあげながら振り返り、体を支えるためについた両腕を少しだけ前に滑らすようにずらしたのです。
薄いカーテン越しに差し込む光に、美枝子の肩から腰へと続く曲線が美しく映し出され、私は息をのみました。
そして同時に知ったのです。

尻の谷間に、天を向き添えられた亀頭の存在と、その亀頭がこの部屋に予め用意されたものではなく、吉沢さんが自ら快楽のみを思い用意した、先端に精子溜りの無い可能な限り薄く作られた、薄黄色の皮膜に覆われていることを。

(二人はまだ交わっていない… )
心の内に安堵とも希望とも取れる思いを抱くと同時に、まもなく確実に訪れる時の存在に、全身の毛が逆立つような感覚を得ました。
今更どうすることも出来ない状況。私はただただ美枝子を凝視し、あれほど願い夢見ていた光景を描き出してくれている美枝子に(拒絶してくれ…拒絶してくれ。) と心で呟いていました。

しかしその願いは通じず、亀頭は上に擦りあがり、一瞬反り返ったエラを見せた後谷間に消え、同時に美枝子が頭を戻し下げ、決意とも取れる息を深く吸う音が聞こえた直後…

「うっ、ウッッ……ッ……」

静まり返った部屋に、シーツのかすかに擦れる音とともに、美枝子のはきだした息が響きました。
そして僅かな時間もあけず、吉沢さんは両手で妻の腰から脇をなぞり、肩へ手を掛け小さく数回前後へ下腹部を往復させた後、一気に前に打ちつけたのです。

「…っ…っ…っ……、、っウッア~~……ンッ………っ…………」
美枝子は、短くも大きな叫び声をあげ、歯を喰いしばり、身に起きた様々なことから必死に耐えているようでした。

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