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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

44.心と肉体③

志保にmailをしてから、3日経っても返事が来ないので心配になった。
他の男に抱かれてもいいと書いたので怒っているのだろうか?それとも悩んでいるのだろうか?
いずれにしても、志保からどんな返事が届くのか心配で落ち着かない。志保は時々、私の想像範囲を超える行動をとることがある。まさか、私の知らない男といきなりセックスをすることだって有り得る。
志保から返事が無いので何となく落ち着かない。
志保からmailが届いたのは4日経ってからだった。

≫省吾さん、お元気ですか?
この数日、東京も寒い日が続いていますが、私も元気です。
一昨日、新年会のパーテーが会社でありましたので写真を添付します。
会社の年末はとても忙しいので、クリスマスと忘年会と新年会をみんなまとめてやります。
みんなストレスが溜まっているのでとにかくお酒を飲んで大騒ぎをします。このパーテーで私はスタッフや運転手の皆さんからプレゼントをもらいました。
それが写真に写っているドレスです。ディズニーランドのシンデレラのようなドレスですが、皆さんがお金を出し合って買ったそうです。
その理由は会社の運転手さん達が集まって『志保姫の処女を守る会』を発足したのを記念して買ったそうです。当日早速着ることになって、皆さんと記念撮影しました。
皆さんすごい格好しているでしょう?山賊の砦に捕らわれたお姫様のようだと大笑いしました。
相変わらず会社の皆さんに可愛がっていただいていますのでご心配しないでください。
先日、私のことでご心配かけてごめんなさい。こんな事では貴男の良い奥さんになれませんね?
でも今は大丈夫です。貴男もご存知のように、私は生理前になると精神が不安定になることがあります。生理が始まるとウソのように落ち着いていつもの私に戻りましたので今は大丈夫です。ごめんなさい。
貴男のmailを何度も読み返しました。
正直に言いますと、最初に読んだ時は大変驚きました。でも、何度も読み返しているうちに少しずつ貴男の気持ちも理解できるようになりました。たぶん、貴男がおっしゃりたいことの半分くらいしか理解していないと思いますが、貴男の私への深い愛情だけはよく解りました。
「二人が心の中で深く結ばれていれば、たとえ何かの過ちで他の人と性的関係があっても、そのことで私たちの信頼関係は崩壊しない」と、解釈しましたけど、それでいいのかしら?
たぶん、そのような事が実際に起こるとは思いませんが、最近は日本でもストーカー事件のように、悪魔の奸計で思いもよらない事故に遭遇するかもしれません。日々、隙ができないように細心の注意はしています。
省吾さんの意図がよく解りませんが、私が好意を持っている男性ですが、3人います。
ただし、誤解して欲しく無いのですが、その方達と特別な関心や異性としての興味を持っている訳ではありません。どちらかと言うと安心してお付合いできる方々です。
2人は会社の運転手さんで、以前にmailにも書いた柴田さんと勝沼さんです。もう1人は会社の近くで開業している歯医者さんの竹下先生です。この方は所長のゴルフ仲間で営業所にもよく遊びにきます。趣味は写真で夏のキャンプで私の水着写真を撮っていただいた方です。この方も現在離婚して独身です。私の周りの男性は何故か離婚している方が多いようです。たぶん、勤務時間が不定期だからと思います。
皆さんとてもいい人ばかりで私にも他の事務員にもとても優しく接してくれます。
省吾さんが色々な条件を書いていましたが、私の印象では皆さん条件にあてはまる人たちと思います。しかし、省吾さんは私の1人Hに付いても質問していましたね?
前にも話したことがありますが、私が1人Hをするようになったきっかけは貴男に抱かれてからです。ですから、その後も貴男のことを思い浮かべながらしています。なので、他の人をイメージしてすることはほとんどありません。でも、1人Hでは無くてHな夢を見たことはあります。
それは竹下先生です。先生に裸の写真を撮られた夢を見たことがあります。その時、恥ずかしいのですが、下着を濡らしていました。『Hな夢は深層心理の現れ』と言われていますが、もしかしたら、私が何かのきっかけで他の男性に抱かれることがあるとしたら、竹下先生かもしれません。(でも、どうかしら?竹下先生にその気があるかしら?)
こんな事を言ったら、また省吾さんが心配するかも・・・ね。
それから、陽子には精神的に立ち直ったので当分男性の紹介はいりませんと返事を書きました。
ところで、省吾さんの方はどうされているのかしら?
先日、高校時代のお友達と会った時、東南アジアに出張している彼のお部屋で〝エイズの検査票〟を見たそうです。その彼はいつも<僕は絶対に浮気をしないから貴女もそのつもりで>と、言っていたらしいの。彼女は<とてもショックだった>って、言っていました。
私も省吾さんが他の女性とHをするのは絶対にイヤです。今度、帰国するまで我慢してください。
未来の夫 大好きな省吾さんへ 未来の妻 志保より≪

志保からのmailは私が思っていた内容よりも軽く流された印象である。それは彼女の言っているように〝生理前の精神的不安定〟と簡単に説明していて、私が真剣に悩むほどでは無かったのだろう。付き合い始めて、彼女の生理前の精神的不安定は気が付いていたが、そのような時は会ってセックスすることで解消していたのであまり深刻に考えたことも無かった。
Mailを読み返して、夏にもらったmailを開いて確認する。竹下と云う歯医者を探す。
集合写真の1枚だけに写っていた。他の男とは日焼けの度合いが違うのですぐに判った。美男子とは言い難い中年のオッサンだ。この男がなぜ志保の心の中に入ったのか不思議な感じがする。今度、聞いてみようと思う。
この後も志保を取り巻く男達の事は何度かmailのやり取りが続いたが、それについては別の機会で紹介することにする。特に、志保の生理日が近づくと精神的に不安定になるようで、ほとんどが彼女の妄想か現実か分らなくなることが多く、私を悩ました。その月によってはその内容が具体的で過激になったこともあるが、次に来るmailにはその事はまったく触れることも無く、日常の出来事が明るく綴られるので、現実的とは思わなかった。しかし、その内容は私の性癖を刺激するには十分で、私は志保のmailを見て、志保と同じ妄想の世界でオナニーをして欲望を解消していた。
定期的にmailのやり取りはしていたが、志保の身辺や私たちの婚約に影響を与えるような大きな出来事の報告は無かったと思う。
ただ、mailの文中に竹下氏の名前が登場する事が多くなったとは感じていた。
1年3ヶ月が過ぎた3月末に私の海外勤務が無事終了して帰国した。
しかし、当初約束されていた東京本社勤務は部署の統廃合で席が無くなり、当分の間、関西支社勤務を命じられた。
勤務地の予定は変わったが結婚式の予定だけは変更することはなく、私たちは東京のホテルで結婚式を挙げた。
それは私たちが初めて結ばれた日から約6年が過ぎていた。私が28才、志保が25才の時だった。

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