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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

4.妻との出会い

これからする記述は妻と出逢ってから結婚するまでの6年間の出来事です。
外部の人からは何処にでもいるような恋人、婚約時代を過ごして何事もなく結婚した2人に見えたでしょう。実際、結婚式の媒酌人の紹介でも、また私たちの友人達も皆さん「学生時代から順調に愛を育んで来た理想のカップル」と挨拶で祝辞を述べました。特に、妻の志保は「1人の男性を一途に愛した娘」として親の世代の人達から好印象を持たれました。
私たちの世代では女性が婚前に複数の男と付き合う事が一般的常識となっていましたので志保は身持ちが堅い真面目な娘と思われていたようです。
確かに私たちの評判は世間的にはその通りだったと思います。しかし、長い婚約期間中に私と志保の間に忍び寄る男達の影。それが私に不安と焦燥、苦悶を与え、同時にそれに伴う快楽体験が私を特殊な世界に堕していきました。
その歪んだ性癖は結婚を機にやがて妻をも引き込んだ非日常的夫婦生活と進化を続けて行くことになるのです。
それは妻・志保と出逢った日から始まりました。

私と妻となる中川志保が出逢ったのは都内にある私立大学のテニスクラブです。
それは私が4年生、志保は新入生の時でした。私の出身は北海道で、志保は都内でした。
テニス部は毎年新入生の入部が多く、女子学生の割合も多い人気の体育系のクラブです。
大所帯のテニスクラブですが、実際に活動するのは3年生までで、4年生になるとクラブ運営からは手を引いて顧問として気に入った女子部員を相手に過ごす時間が多くなります。それに早い学生は就職の内定をもらっているので最後の学生生活をエンジョイします。

部室に顔を出す目的はテニスの指導よりも女子の新入部員の品定めのようなものです。
昔はテニスファッションに憧れて入部する学生が多かったと聞いていますが、最近は本格的にテニスをマスターしようとするスポーツ系の女子部員が多く、部活後を一緒に楽しむ機会は少なくなりました。その他にも、高校時代から特定の男子と付き合っている女子も多く、クラブ内で親密な関係に進展した噂話も少なくなったようです。

クラブのOBの話では昔は女子の新入部員の半数はバージンだったそうですが、最近せいぜい1人か2人程度とか、もちろん正確なことは分りませんが。ただし、バージンの子も夏休みを過ぎる頃には初体験を済ませるようです。その相手の男がテニス部員かどうかはっきりとは判りませんが、よく見ると体のシルエットが丸みを帯びたり、ちょっとした仕草に色気を感じることがあります。当然のこととして裏話として噂のネタになる訳ですが、中にはバージンハンティングを目的に在籍する部員も一部いるようですが、クラブ内のスキャンダルには気を付けているようです。特に最近は部内のセクハラ、パワハラが厳しく指導されている事も関係していると思います。

中川志保もそんなテニス部に新入部員として入って来ました。
志保は小学生からテニスを初めて中学、高校と一貫してテニスをしてきたと新入部員歓迎会で挨拶自己紹介していました。そのせいか他の女子より手足や顔も日焼けで黒く健康的な少女として印象として残っています。
挨拶もスポーツ少女のようにきびきびした態度でまったく女子の色気は皆無でした。
身体全体がシェイプされていて無駄な脂肪や贅肉は無く笑うとエクボが可愛い印象でした。あまり大きく無いバスト、スラリと伸びた足が魅力的でした。決して美人ではありませんが、愛くるしい感じで他の男子部員はどう感じたか判りませんが、私のハートにはビビッと感じるものがありました。
歓迎コンパで彼女が偶然にも私の横に座ったのがきっかけで会話が多くなり、二次会も一緒に出掛けたことはよく憶えています。
私は無理に酒を薦めたり、セクハラもどきの会話や行為をしなかったためか、その後も私に対しては兄を慕うような自然体で接してくれました。妹がいない私には何となくくすぐったい気持ちでしたことを覚えています。
それに、後輩の部員が私を『哲人』と呼んでくれていたことも彼女の印象も良かったようです。それはいつも難しい顔をしていてチャラチャラしないイメージで付けられたニックネームのような物です。
それからも練習の相手やアドバイスをしてやったりする機会が他の新入部員より多くなっていたかもしれません。それはある程度は意識的だったかもしれませんが、女としての特別な意識は無かったと思います。
それに、私には特別な相手がいない事と、それに彼女にも彼氏と呼べる相手がいなかったことも理由にあると思います。

《志保の告白》

中学、高校と女子学園で過ごしてきたので大学に入学して大勢の男性と接触するのはとても緊張しました。
高校まで通っていた女子学園には女子大もあったのに別の大学(男女共学)を選んだ理由はもっと広い世界を見たいと云う気持ちが強かったし、男女共学の大学の女子の方が大人に見えました。
テニス部での省吾さんの印象はすごくオジサンに見えました。それは他の先輩よりも年上に感じたし、何となく頼れる大人の男性と思いました。
他の男子部員が少しでも新入女子の関心を引こうと寄ってきましたが、省吾さんはそんな事も無く、とても信頼できる大人の男性に見えました。それに他の先輩部員も省吾さんには一目置いたような印象でした。そう感じたのは私だけで、他の女子の新入部員は話し上手で楽しませてくれる野島先輩に興味を引かれたようです。
多くの一年生女子のテニス部への入部目的はテニス部の男子学生がカッコウ良く見えるからです。それにちょっとリッチな家庭の出身と思い込んでいるようです。

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