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日記番号:1088

淫の刻印 2

アスカ(京都)


  感想集

30 神楽坂 しもた屋の女

男が、坂道のちょつとした階段をかけあがり、ちょつとした路地を抜けると、古びたしもた屋の二階の鉄格子から、女が首をだして、微笑んだようだが、すぐに首を引っ込めた。男が、引き戸を開けて、中に入っていった。

東京でも、木造の建物は、珍しい。昔は一階が、飲み屋だったのか、玄関先には、朝顔が、咲いている。眠たげな気だるい午後の神楽坂。まだまだ、花街は、静かに眠っている。
「お帰り~」階段の途中で、立ち止まり、女が、声をかけた。ワンピースの部屋着を着た女が、裾をまくりあげ、太股をはだけて、かけ降りた。
「まだかと思って、二階から、見てたの…なんか、雨かもね。」
「ああ~黒い雲が、わいてきたな。一雨くるぞ…」
透けた肌をしている女は、男の腕をとり、大きな尻を左右に振りながら、男を二階に導く。
男は、軽く豊かな尻を、触ってやると、女は、笑いながら、男の手をはらいのけた。
「もう~スケベ~なんだから~」
男は、しっかりとした足取りで、階段をのぼる。二階は、6畳二間のこぎれいな和室だった。近所の人も、たまに来る女が、誰か知らない。ましてや男が、誰かも知らない。この地区は、再開発から取り残された地区で、昔から住んでいりのは、数軒だ。

「今日来ると言うから…まちどうしかったわ…早く・・・」
窓の外が、急に暗くなり、雨足が、強くなってきた。はだけた胸の肌は、驚くほど、肌が、白い。股間の女の部分が、湿やかに、色ずいていた。
「朝、京都を出たん?」
「朝、人にあってから、昼前に、新幹線に乗った。」
誘うように開かれた女の股間を、男は、無表情に眺めている。

本当は、靴を脱ぐのも、もどかしく、二階にかけ上がったのだ。京都を出て、ようやくたどり着いた女の肌は、やわらかく、張りがあり、何よりも、汗ばんだ、スカートの奥から、ムッ~と漂う女の甘い匂いに誘われ時、男は、ただのオスになり、野生の感覚を呼び覚まされた。

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