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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

29.妖精の女陰

私はサイドテーブルの上にある志保が用意したスキンに手を伸ばす。
私は自分が用意した物でなく、志保が持っていた方を選んだ。
志保が持っていたスキンは、元々私とセックスするために準備された物では無い。この2個のスキンは野島が使うこと前提に陽子が志保に与えた物だ。しかし、志保の心の準備が整わず、また無垢な少女の恐怖心も重なり幸運なことに使われることは無かった。もし、使われていたら、私と同じ人生を歩むことも無かったろう。
<野島が使うはずだったスキンを、今、私が使う・・・>、何と痛快なことだろう。
<ざまぁみろ野島!おまえが狙った志保を俺の女にする>野島の顔を思い浮かべながら小袋の封を切る。指が震える。
「それを・・・、使うんですか?」
志保が目を開いて私を見上げている。
「赤ちゃんができると困るから・・・」
「使わないとだめですか?私、附けてほしくない・・・。たぶん、今日は大丈夫だと思う・・・」
「本当に?大丈夫なの?」
「あと2、3日で生理が始まるから・・・、安全日と思う・・・」
私は躊躇した。若い女性の性周期は狂いやすいので細心の注意が必要と高校で教わった記憶がある。
「わたし、愛した人との最初の時だけは附けないでしたいと思っていたの。それも考えて旅行の日程も決めたの。だから・・・」
先ほどまで、指を触れるだけで震えていた少女がきっちり避妊を考えている。この矛盾?落差?をどう考えたらいいのだろう。
私は封を切ったスキンをテーブルに戻した。
「付けなくてもいい」確かに志保はそう言った。
つまり、志保はスキンを着けないでセックスすることを受け入れている。
もはや躊躇することも無い。志保の気持ちが変わる前に実行すればいいのだ。
私は早速下半身を密着させようと更に大きく志保の足を開かせようとする。
その時初めて志保の陰部を見た。
スタンドライトの薄明りの中であったが、そこは今まで見たことが無い美しい景色だった。
白い肌が透けて見えるほど密度が薄く短い陰毛。しかも恥骨付近から生えていて面積も少ない。逆三角州の角付近の陰核だけは隠されている。白い大陰唇の双丘の間を一本の陰裂が真っ直ぐ下に伸びている。
思春期前の少女の陰部に陰毛が生えたようなイメージだ。陰毛が無ければギリシャ神話の女神のようだ。
私がそれまで抱いていた女性器とはまったく別物だった。
元彼女やその他の女、それにストリップで見た女の陰部は皆、陰裂から小陰唇がはみ出していた。陰毛に覆われた大陰唇とその内側から花弁のようにはみ出した赤銅色の小陰唇。それが女陰の形と思っていた。思春期前の少女も大人に成長すると全部そのようになると思っていたし、だから、官能小説では「花弁のような」と表現するのだと思い込んでいた。もし、官能作家が志保の陰部を見たら、どのように表現するのだろう。「白桃のような・・・・だろうか?」
しかし、それが少女の陰部でないことは陰裂の下端から湧き出した淫水がスタンドライトに反射して妖しい光を放ってしる。
私は志保の陰部を見て、少し躊躇した。
ギリシャ彫刻の女神?西洋絵画に描かれた妖精のような美しい女陰を汚すのはもったいないと感じた。その時の印象があまりにも鮮烈だったので少し誇張した記述をしたが、これまで接した女性とはまったく違う感情を持ったことだけは事実である。
そう思いながらも途中で行為を中断することは無かった。それは、私の頭の中には野島の影が付きまとって離れないからだ。封が切られて一部が見えるスキンが野島の陰茎を思い起こさせる。野島の影を振り払おうとすると、その影は私から冷静な判断を奪う。

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