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日記番号:1088

淫の刻印 2

アスカ(京都)


  感想集

29 信濃町 大学病院 2

老松は、榊原をテラスに案内した。
「外は、いいですね。」
「川勝さんが、えらい心配してましたよ。川勝さんとは、大学の同期でね。」
「川勝に、よろしく言ってください。」
「あなたの事故は、単なる事故では、ありません。警察が、どう説明したか…知りませんが…あなた…あることを探偵に調査依頼しましたね。獣のしっぽをふんだのかも、知れません。」

「たかだか、車両番号を調べただけですが…」「身元が、ばれるのを、恐れたのでしょう。かなり、えげつないやつらですからね。」「やつら…ですか。」
「組織防衛のために、血の掟が、あります。表の政財界の人間と闇の反社会勢力の連合組織で、金の為には、女を売買します。」
「西と言う人間も、その組織の人間ですか?」
「わかりません。確証が、ありません。」
「奥様は、西とどんな関係で…?」
「単に上司と部下の関係です。家内は、昔、大阪時代から西さんを知っていただけです。(まさか、貸し出したなんて、口が、裂けても言えない…)

「そうですか。困ったことが、あれば…いつでも、どうぞ…そう、ひとつ、お願いがあります。あなたの出向元の東亜銀行の頭取と西さん、行内での関係は?」
「頭取と西…そんな目で、見ていませんでした。」「ぜひ、一度、冷静に調べてください。それと、関西の人間が、ある目的のために、来ています。殺しなのか…闇組織を潰すためなのか?わかりません。へたに、動くと危険ですよ。忠告します。」

「大阪地検の動く理由は?」
「東西の抗争が、起きると、想像してください。では、これで、失礼しますよ。」
老松は、含みある話しをして、立ち去った。榊原は、西との絡みの中で、クズハが、どうなるのか不安を覚えると共に、さらに墜ちる姿を想像して、ときめく自分にビックリした。

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