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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

23.ブラジャー

“野島”と云う名前を聞いただけで私の思考回路が狂ってしまうのだ。
「志保ちゃん、ごめん、つい言い過ぎた。僕は志保ちゃんを愛しているし、誰よりも大切にしたいし、幸せにしたいんだ。だから、邪魔をするヤツは許せないんだ」
自分で言ったことが場当たり的でわざとらしい。本音は寝取られ男の妄言なのだ。
「ごめんなさい。私も余計な事を言って、貴男を傷つけたかも・・・」
この頃、志保は私の異常な性癖に気が付いていなかった。野島に対する嫉妬心は自分への愛情の裏返しと思っていたようだ。
「寒くないかい?布団の中に入ろうよ」
腕を伸ばして肩を抱く。そのまま横になり抱き合う。
「省吾さんの身体冷たくなっている。裸だったのね?」
志保の腕が背中に回る。
自然と唇が重なる。
志保の背中に手を添えるとブラジャーの紐が触れる。
キスをしながらTシャツの裾から手を入れて直接背中を撫でる。
志保も黙って受け入れている。指でホックを外そうとしたが上手く外れない。こんな簡単な動作にも女は男の評価をするのだろうか?志保がこのような情況を経験していなかったら良いのだが・・・。
志保はクルリと後ろを向いて協力するが、部屋の照明は全部切られていてよく見えない。
仕方なくベッドボードの上に附いている読書灯のスイッチを入れる。
「いや・・・、もう・・・省吾さんたら・・・」
「ごめん、すぐ消すから」と言って、Tシャツを捲り上げてブラジャーのホックを外す。
野島のような男だったら真っ暗の中でも洋服の上から簡単に外すことができるだろうに。女を口説くにはこう云う細かいテクニックも必要なのかもしれない。
私もまったく経験がない訳では無かったが、元彼女の時はラブホテルだった。だから、一緒に風呂に入ることで脱がす必要が無かったし、裸で抱き合うことも、その後のペッティングもスムーズに進行したのだ。志保の場合は全てリードしなければ先に進めない難しさがあった。
やっぱり、志保と一緒にシャワーを浴びるべきだったかも・・・。そうしたら、こんなに苦労しなくても一気に前進できたのに・・・。
私は読書灯を消す代わりにコーナー灯を点けた。これでも少しは見えるようになった。
その事について、志保は何も言わない。
ブラジャーのホックを外してもバストを解放した訳でもない。ただ、Tシャツの裾から手を入れて乳房に触れることは可能になった。志保は後ろを向いたままだ。
後ろ側から抱いて裾から手を侵入する。志保は身体を硬くしたが、私の手を振り払うような仕草はしなかった。
もっと全身で愛したいと思った。なによりも肌と肌の触合いが欲しかった。
「ねぇ、Tシャツ脱がしてもいい?」
志保は何も答えない。もし本当にイヤなら途中で拒否するだろう。
男の身勝手な解釈だと分っているが、やはり止められない。
私は背中から捲り上げて、志保の身体を仰向けに寝かせ、両手で上に引き上げる。意外にも簡単に脱げた。それは志保が上体を起こして協力してくれたからだ。
Tシャツとブラジャーは一緒に去った。志保は両手で胸を隠した。

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