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日記番号:233

バツイチ再婚夫婦のェッチなお勉強

疎チン(瀬戸内沿岸)


  感想集

智子の心ずかい

その日取引先から製品の前納を依頼され、私は外出中の担当者に代わり、助手席に智子を乗せ、3時間ばかりのO社へ納品に出かけた。
智子は殆んど1人で納品時の検査をやっている、世話好きの信頼出来る古参社員で、納期前と云う事で同行させた。
 車中智子が「今日O社へ納入する製品は、私がチェックしてますから安心して下さい。 それより社長さん、宏美さんと結婚して2年になるわね。 お2人の子供はまだなの? それとも避妊してるの?」
と聞いて来た。

 「うん。 俺もやる事はやってるけれど、どうも駄目みたいだね。 宏美は前の旦那との時も妊娠出来ず、色々治療をしたらしいけど。 本人も“自分は無理だから外で作ってほしいし、どうしても駄目なら離婚されてもやむを得ない”と云ってるようだ。 君も知ってる様に、俺には前妻との間に12才になる女の子があり、宏美に出来ないから外で子供を作るなんて出来っこないよね」
「そうね。 社長さんは宏美さんの事愛してるのね。 私うらやましいわ」
「そう。 宏美は本当によくしてくれるし、俺の気持ちをよく察してくれるいい女房だよ。 だから子供が出来ないからと云うだけで、離婚なんて考えられないよ。 それより智子さん。 突然どうしてこんな事聞くの?」
と反対に聞き返した。

 「ごめんなさい。 宏美さんと長く会ってないから“どうしてるのかしら”と思ったの」
「何時も気にかけて貰ってありがとう。 それより智子さんの方はその後どうなの?」と聞くと
「恥ずかしいけれど、私は相変わらず悩みの多い毎日です。 うちの旦那、仕事は何とかやってるけれど、家に帰ると酒飲んですぐ寝てしまうの。 家には寝に帰るだけの生活で、私は必要ないみたいで、これでも夫婦なのかしらと、毎晩寂しい思いをしてます」
としみじみ話してくれた。
「そうか? 智子さんも寂しい毎日か? でもまだ若いんだから頑張らなくちゃあね。 俺でよければ何でも相談に乗るから云って呉れたまえ。 智子さんには色々お世話になっているし」
「社長さん。 本当にありがとうございます。私のような女にそこまで云って戴き、感謝しております。 私これからも一生懸命やりますので、引き続きよろしくお願いします」
と涙ぐみながら話した。

 私も「いやこちらこそよろしく頼みます。 智子さんがいて呉れるので、厳しいながら会社も何とかやって行けるし、安心して外出も出来るしね。 そうだ。 君さえ良ければ又1度食事でもしょう。 いいだろう?」
「ありがとうございます。 私は何時でも喜んでお供を致します」
「じゃあ、又前もって連絡するから」
こうして突然の注文品前納・検収は無事終わり、帰路についた。

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