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日記番号:1068

男のいない女達

まにあ (多摩地区)


  感想集

バ-「ラヴェル」


口開けのバ-は空気が澄んでいる
僕の一番好きな時間だ
カウンタ-に座ると
ウォツカリッキーが出てくる

一杯目を飲み終わる頃
常連さんが
やってくる

いいバ-は必要なとき以外は
ほっておいてくれることだ
お客同士がなれなれしくなることもない

顔は知っていても
好みは知っていても
名前は知らない
そんな人がたくさんいる

その女性もそんな人の一人だった
僕は
人間観察の達人なので
ホ-ムズみたいに当てる

お化粧はほとんどしていない
年齢は外見からは30前半だが
落ち着き方からみると
40ぐらいかもしれない
香水はきつくないことから考えると医療関係
しかし、早い時間にバ-に来られる事を考えると
ハ-ド系ではない

「それ、なんなのですか?」
隣に座った彼女が訊いた

キングオスカーのオイルサ-デインを缶のまま火にかけ
そのうえに
オニオンスライスそして、レモンと醤油をかける

「どうぞ、試して、みてください、いま飲んでらっしゃる、ロブロイに合いますよ」

彼女は遠慮無く箸をつけ
ウィスキーを口に含んだ
「美味しい!!」

僕たちは知り合いになった




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