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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

14.本当の幸福

「怖いんだろう?大丈夫だよ、もうしないから」
「ううん、もう大丈夫、怖くないわ・・・」
後ろから声をかけると震える声で答える。
「先輩は女性との経験はあるんですよねぇ・・・」
「まぁ、僕も22才の大人だから・・・少しは・・・」
「そうですよねぇ、経験の無い方がおかしいですものね」
「僕が経験しているのは嫌いかい?」
「ううん、その反対・・・。野島さんのような誰でもするは嫌だけど、経験者の方が安心かなぁと思って・・・」
「それも、陽子と云うキミの友達の受け売りかい?」
「それもあるけど・・・、私、彼になる人に聖人君子は求めないの。そんな人はきっと楽しくないから」
「さっきディープキスをしようとしたら嫌がっていたけど、どうして?」
「ディープキス?わかんない・・・」
「志保ちゃんはキスの経験も無かったの?」
「うん・・・、昨日が初めて、本当よ!大人ぶっていたけど・・・、本当は何にも経験はないの」
「そう思ったよ。これからゆっくり勉強すればいいよ。何も焦ることは無いよ。陽子って子が何でそんなに早くセックスをしたいのか僕には理解できないけど・・・、志保ちゃんも早くしたい?」
「わかんない・・・、でも今は浅井さんに全て任せるようにしたい、そんな気持ち・・・」
「僕は野島のように上手でなくてもいいかい?」
「野島さんの事はもういいの。私は昨日初めて知ったの。男女交際ってセックスじゃないって・・・。愛している人と一緒にいるだけで幸せを感じたの。きっとこれが本当の幸せなんだと分かったの。陽子にもその事を話すつもり」
志保はそう言うと体をクルリと回して私の方を向いた。
そして、私と目が合うと「もう一度キスしてください」と、言って目を閉じた。
頬に手を触れると火傷しそうなくらい熱く火照っている。この火照りはこれから数回続くだろう。元彼女はキスの時は4、5回続いたがそれは次第に弱くなり、そして次のステップに入るとまた現れる。
この現象は彼女だけでは無く、私自身にも現れた現象だった。
『省吾さんのホッペも熱いわ』初めてのキスを交わした後でお互いの頬を両手で挟んだ時の事だった。
昨夜の自分はどうだったんだろう?不覚にも私自身も興奮していた。元彼女との初体験の時ほどで無いにしろ少しは紅潮していたかもしれない。今日も最初は志保の唐突なアタックにあってドギマギしたがその後すぐに平常に戻ったと思うが・・・。
志保の場合はどうなのだろう?
今日も昨夜と同じくらい熱く続いている。それは昨夜と状況が違うからだろう。
性的体験の進行が早く、しかも濃厚な体験はその現象を意外と早く解消させるかもしれない。しかしそれは性的刺激に慣れる事と同じ意味を持つ。この初々しい志保の少女的な魅力を奪い去ることに躊躇いもある。
志保が私にとって2人目の処女で、たぶん最後の処女体験になることは何となく予感がする。だからこの距離間を楽しみたい気持ちもある。しかし、それが最良の選択肢でない事も経験しているし、不安もある。
元彼女は半処女のままで私から去った後、妻子ある男と付き合っていると聞いた。たぶん私の想像ではその妻子ある男と関係を持った後で、私に別れを告げたと思っている。それと同じような事は志保も例外では無い。実際、わずか数週間前に志保は野島から危ういアタックを受けているし、私と両天秤にかけたと正直に告白している。私に失望を感じたら、この子はすぐに野島の誘いに応じるかもしれない。
志保は心と身体がバラバラになりながら、私の関係を確かなものにしたいと私に身を委ねている。

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