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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

13.震える背中

翌日、ホテルには9時ごろに着いた。
志保は2時半の電車に乗れば夕方には富良野に着くと言っていた。
部屋に電話をすると待っていたようにすぐに出た。そして、そのまま部屋に来てほしいと言う。
ツインの部屋なのでホテルのスタッフから何か言われても問題は無いが、それでも若い女子が泊まっている部屋を訪れのことは緊張するものだ。心臓の鼓動が聞こえるほど緊張する。
昨夜、お互いの気持ちの確認やキスも交わしているので、昨日のように部屋の中で戸惑うことも無いだろう。
しかし、志保の行動は又しても私の想定を超えた。
部屋のノックをすると直ぐにドアが開いて私を引き入れた。部屋はまだ厚いカーテンが引かれていて暗い。カーテンの隙間からわずかな光が差し込んでいるだけだ。
志保はドアを閉めるといきなり抱きついて来た。
「遅いよう!遅いよう!どうしてもっと早く来てくれなかったのよぅ・・・」
私の胸の中の顔を付けて言う。昨日以上に積極的だ。
「ごめんなぁ・・・」そう答えるのが精一杯だ。
「あれから、ずっと一人で浅井さんを待っていたのよ」
とにかく落ち着かせるのに頭を撫でて額にキスをする。
志保は目を閉じて顔を上げる。キスを催促している。
きっと、昨夜からこのシュチエーションを思い描いていたのだろう。私も考えてはいたが、それは普通の男女がデートで交わす最初の挨拶のような情景で、これほど激しい抱擁やキスは想定外だ。
しかも志保はパジャマの上しか着ていない。背中に回した手にパジャマを通した肌の感触が直接感じる。ブラジャーが触れない。志保はパジャマの上着だけで私を迎えたのだ。
「このお部屋、11時までしか使えないの・・・」
否が応でもベッドが目に入る。当然だがホテルのベッドはその存在感が大きい。
パジャマ姿の志保を抱擁した時から?部屋に入る前から?陰茎がトランクスの下からズボンを迫り上げている。普段はジーンズにTシャツだが、一応ホテルに入るのでズボンと半袖のシャツにした。
この想定外の状況に陰茎の方が素早く反応したが、精神の方が未だついて来ていない。
2年前まではこのような事は何度も経験しているはずなのに、まるで初体験の少年のように過剰に反応、興奮している。
2年前と違うのは相手の女と場所だけなのに、なぜか余裕が無く狼狽える。
自分を落ち着かせる意味も込めて抱き寄せて唇を重ねる。
昨夜より強く押し当てる。志保も拒絶しない。
急に私の背中に回していた志保の腕の力が抜けダラリと落ちる。同時に足の力も抜けて全身が崩れ落ちそうになる。慌てて抱きかかえようとしたが、間に合わなくて2人のバランスが崩れてベッドに倒れ込んだ。
慌てて離れようとすると、志保の腕が首に巻き付く。そして、自分から唇を押し当ててきた。
私も唇を吸った。そして、舌で口を押し開けようとしたが、志保は口を閉じたまま唇だけを押し付ける。
この頃になってやっと私も落ち着きを取り戻し、男女の愛情を表現する行為を開始する。それは二年前の元彼女と経験した手順にそって進めて行く。
ゆっくりと唇を味わい唇の裏側を愛撫する。しかし、志保は口を堅く閉じたまま開こうとしない。
私の愛撫に感じているのは次第に息遣いが荒くなっているのでも明らかなのだが・・・。ただ、身体が小刻みに震えている。
口を開かせることを一旦諦めて、唇で耳や首筋を、それに手を使った愛撫に切り替える。
耳朶を唇で挟み、舌で舐めると小さな吐息が聞こえる。そして、「あぁ~ん、くすぐったい」と小さな声で抗議する。元彼女の最初の時と同じだ。
手を肩に当てて愛撫を始めた時は何も反応しなかったが、その手を胸に移動しようとすると、自分の両手を胸に当ててガードする。さっきよりも呼吸が荒く、身体の震えが大きくなる。
私が手を腰付近まで下ろすと、急に「イヤ!」と叫んで、胸をガードしていた両手で私の上半身を突き上げて起き上がろうとした。
私もそれ以上に無理をしなかった。何故なら、元彼女の時もその状態まで行くのに初キスから半年近く経ってからだった。志保とキスしたのは昨夜でまだ12時間しか経っていない。
「もう終わりにしようか?」
先に体を起こして志保を見ると、パジャマが捲れて下腹部が目に入る。白い小さなショーツがその中心を守っていた。
志保は一度起き上がろうとしたが、そのままベッドに仰向けになり、両手で顔を隠したまま、「もう少し一緒にいてください」と言う。
私は迷ったが、添い寝することにして、ズボンとシャッツを脱いでベッドに上がった。本当はその気持ちは無かったが、勢いで脱いでしまった。
私は側に行くと「あっ!」と小さな悲鳴を上げると背中を向けた。私がトランクスだけの裸になった事に驚いたようだ。私の陰茎は極限まで勃起してトランクスを押し上げているが、それを志保に押し当てるような事は避けて、肩に手を置く。
陰茎が当たらないように腰を引いて背中を抱くと小刻みに震えていた。

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