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日記番号:1074

単身赴任と夫婦交際!そして今日

潮風 (四国)


  感想集

隣人

最後に事務所の鍵を閉めて出た。 花火大会へ行くのか浴衣姿の若い女性のグループ、 小さな可愛い浴衣姿の手を引いた親子連れを横目にマンションへの帰り道を急いだ
エレベータを三階で降り自室の前に立ち止まる廊下西真正面に大輪の花火が見える、これは特等席とばかりキッチンの椅子を持ち出して缶ビールを飲みながら花火見物を決め込んだ
暫くするとエレベータの戸が開き右となりの隣人が帰って来た。同年代くらいの男性、廊下で挨拶はするが話した事はない胸に社名とネームの入った作業服、私と同類らしい、
「今晩は!特等席ですね」向こうから声を掛けてきた、「やあ!今晩は、花火見物いかがですか?」と返すと彼も椅子を持ち出してきた。
六本パックの缶ビールを一本外して進めると礼を言ってプシュッ!とあけた。
「作業服の社名からすると今街中に通信網を引き伸ばしている工事屋さんですか?向こうが先に聞いてきた
「そうです栗原と言います宜しく、お宅さんは?」
「申し遅れました都築と言います、建築屋です、駅前通りにビルが建ってるの御存知ですよね。あそこで設計管理やっています」
似たもの同志という事で話が盛り上がりビールが進み、ビールが無くなると
「地酒の好いのがあります、」そう言って一升瓶と魚の珍味を持ってきた
「地酒と言う事は御当地ですか?」
「そうです車で一時間~一時間半くらい掛かりますか・・栗原さんは?」
「わたしは私は隣の県です」
「そうか、お互いに女房に手が届かない距離か・・・」酒が廻って来ると、今日会った相手とも思えぬほど下ネタになってきた
「風俗も無いしあちらの方の処理はどうしてます?」ストレートに聞いてきた   私も酔いに任せて
「そりゃあ自分で慰めるしかないでしょう!!」ストレートに返した、
「そうかそうか、お宅も同じ身の上か・・」二人で大笑いする。 
「ところで、自分で慰めるとすれば何か好いおかずありますか?」と聞いてきた。 
「そうだ、先日駅前の小さな本屋で面白い本を買ってきましたよ」そう言ってあのホームトークを持って来て見せると、食い付くように見入っていた
「本で読んだ事は在るのですが、本当にこんな世界があるのですね。栗原さん経験者ですか?」
「いえいえ!私も初めて手にした本です。とっても興味はありますが、妻に言ったら殺されかねません」
「同じです、私もこんなの頼んだら包丁が飛んできそうです。」   顔見合わせて笑った
「でも興味ありそうですね?よかったら持ち帰って読んでみます?」
「かまいませんか?じゃあお言葉に甘えて2~3日貸してください、」  そんな話をしているとエレベータの戸が開いて左隣の隣人が帰ってきた。
二十代後半?若い女性である椅子の横を通り抜けようとする。
「廊下で店開きしてすみません」お断りをすると
「いいえ!丁度花火がきれいに見えますね」にっこり笑って部屋に消えた
「そうそう!栗原さん彼女の部屋の隣ですよね。隣の声聞こえません?」
「私建築屋だから解るんですけど、この建物新築で外見綺麗ですけど、結構手抜きです、壁財の中は断熱とか防音とかされて無いと思います。」
「お互い皆一人住まいだから話声は聞こえないけど、テレビの声や物音は聞こえるはず、」   そう言えば夏の暑い日に帰ると昼間の熱気が篭っている。物音もよく聞こえる
「彼女土曜の夜は彼氏がよく泊まりに来るでしょ、今度壁に耳をつけて聞いてみてください、結果報告期待しています。」 なんかとんでもない話になってきた、酔いタンボのたわ言である。
そろそろ片付け様とすると、都築さんが耳を寄せて小声でつぶやき始めた
「それはそうと、この本の話ですが夫婦の交換にお互い興味はあって実行したいところですが現実には絶対無理でしょう、それで次週の土曜日家内が部屋の掃除をかねてやってきます」
「その時合図を送りますから壁に耳を付けて聞いてください。意識して声を出して激しくやりますから、是非おかずにしてください。」
「解りました!お互いスワップが出来るよう一歩づつ頑張りましょう」  変な誠に変な激励をし合って隣人との妙な飲み会を終わりにした





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