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日記番号:1073

淫の刻印

アスカ(京都)


  感想集

9 失踪、そして

ある日、雑誌を古本屋に返したあと、典子からの連絡が、途絶えた。銀次は、上玉の失踪に慌てたが、どこに住んでいるのかも、掴んでいなかった。
訪ねて行くわけにも、いかず。最初から、このような事態を、典子は、想定していたのか。今となっては、わからない。唯一、残ったのは、典子と銀次の緊縛とSEX画像が、残った。

それから、10年。

典子の姿は、東京の元麻布で、見ることが出来た。清楚な出で立ちで、ちょうど、麻布十番の有名な高級スーパーからの買い物の帰りのようだ。ピチピチのニットのワンピースで、胸は、谷間を誇らしげに見せながら、巨尻を、上下にクイッ…クイッと振りながら、どんな男でも、必ずや振り返る。ケバくはなく、自然とした動作なので、麻布のセレブを体現していた。

典子が、なぜ、いつ結婚して、元麻布なのか、誰も知らない。ただ、40歳の夫が、いて、夫は、中堅ゼネコンの設計の技術者で、将来のある男だと言うこと、住まいは、元麻布のタワーマンである。夫は、典子に専業主婦でいる事を願った。一人で、典子が、どこかに行くことを嫌った。拘束したがった。結婚直後は、初めての東京をいろいろ歩きたかったが、諦めた。子供に恵まれず、友達すら、これでは、出来なかった。

最初の頃は、人並みに夜の営みも、あったが、最近では、1~2ケ月に一度程度、思い出したように、求めてきた。そんな中で、典子は、自身の黒い性癖を封印した。淡白な夫に話せば、変態扱いをされそうで、日常に流され、まさに、籠の鳥だった。
榊は、典子を愛してるが、もう少し淫乱な妻で、あってほしいと願っていた。夜ともなれば、娼婦のごとく。他の男とSEXする典子を夢見ていた。

その悪魔の囁きは、歳を取ると共に、増幅する。
夫婦は、毎週金曜の夜は、六本木の駅で、待ち合わせして、外食することにしていた。その夜、夫婦のターニングポイントとなるべき、出来事が、起こる。

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