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日記番号:1074

単身赴任と夫婦交際!そして今日

潮風 (四国)


  感想集

花火大会への誘い

 夏の日は長い、作業班は受け取り作業の為5時になっても帰って来ないのが昨今だが、今日は5時前に続々と作業車を連ねて帰って来た、表に出て皆を迎えた、
「お疲れさん、ご苦労でした」声を掛けるとトップの親方さんが
「今日はこの地方のお祭りで花火大会があります。少し早いです があがらせてもらいます。」
「それは楽しみでしょう、早く帰って楽しんでください」そう返すと
「港の前の集会所で皆で一杯やっています、代理人さんもぜひいらしてください」 お誘いを受けた
「ありがとうございます」と返してその場を離れたが、また別の作業班の親方さんが、
「代理人、今日は港のお祭りです、ぜひ内の所呑みに着てください」これまたお誘いを受けた。この地の人は皆酒豪ばかりで、宴会の席は非常に多いと感じる。お誘い頂くのは非常にうれしい
呑み助ではないが、お誘いを受ける事は、協力会社とのコミニケーションの尺度でもあり、強いては現場進捗良好度合いのバロメーターとも言える、
社員と違って協力会社の上に立つのは何かと気苦労なものである。 お誘い頂くのも何処までが本気で、何処までが社交事例か見極めるのも微妙な判断なのだ。
 作業班が帰った後事務所内にも声を掛けた
「お祭りと知りませんでした。皆さんも早く帰って花火大会いってください。」 その声で長老の藤田さんを筆頭に事務員さんも「お疲れ様でした」の声で帰っていった。
最後に出ようとした青野さんが引き返してきて「栗原さん、宜しかったら花火大会御一緒しません?」いつものパチリと可愛い瞳と笑顔で誘ってくれた。
「ありがとう、でも止めておきます。先もお誘い頂いた様に親方衆や職人さんたちも沢山行っていると思います。」
「二人で歩いているのが目に留まると、良からぬ噂も立ちかねません。貴方に御迷惑が掛かるといけませんので今回は無しにしましょう」そう言ってお断りをした。
「そうですね!栗原さんのお立場も考えず軽率でした、すみません」そう言ってペコリと頭を下げた、   
「いいえ!男は浮いた噂の一つや二つ勲章の様なものですが、女性はそうは行きません、妙な噂は禁物です。」
「でも今日お誘いは個人的にはとっても嬉しかったです。ありがとう」そう声を掛けると、にっこり笑って小さく手を振って帰っていった。  
彼女には言えなかったが、この様な現場で仕事関係の女性と噂が立ったり、深い関係になるのは御法度なのだ。親方衆や職人さんの間で噂になると指揮系統にも影響し
強いては現場運営にも支障をきたす。 これまでにも先輩の苦い経験をこの目で見てきた。 私達の暗黙のルールなのだ。

 

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