メニュー ログイン

日記番号:747

夢は妻とともに…

傍観者(関東)


  感想集

創りあげられた空間

「美枝子、声を出してもいいんだよ。」
「……………」
「これ以上がんばらなくてもいいんだ…。」
「…………」
「体が感じるまま…息を、声を吐き出せばいいんだ。」
「………」
「もう美枝子もわかっているだろ?どんどん潤いが増してくることを…わかるね?」
「!…」

吉沢が告げる言葉は優しくも、ベッド上に淫靡な空間を創り上げつつあるように感じました。
(助けを求めているのでは…)
そう思えば思うほど、私はその空間に魅入られ、一秒一秒ごと体は強張り、五感は逆に研ぎ澄まされてゆくような錯覚に陥ってゆきます。

吉沢は、肩を引き寄せている左手の力を抜きました。
そして、美しく曲線を描いた背筋から脇へと辿らせ、太ももからその内側に滑り込ませると、時を同じくして美枝子は頭を激しく横に何度も振りました…

「……………………アッッッ!」

突然部屋に、まるで何かが破裂したような高い声が響き渡りました。
私は息をのみ、美枝子の顔を凝視すると、そこには天井を向きながら、きつく瞑る目と大きく広げた口の…衝撃の大きさを示す美枝子の姿がありました。

「ほら…ここがすごく硬くなっている。わかるね。美枝子はとても感じているんだ。」

吉沢の言葉を拒絶するように、美枝子は前よりも激しく頭を振り出しましたが、

「イヤッ、よしざアッ!…イヤッ!アッッッッッッッッッッッ!!」

前よりも更に大きな叫び声をあげ、濃いピンク色に染まった首筋に、ほんの少し前まで無かった、肌のザラつきを浮かべました。

前頁 目次 次頁