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日記番号:1020

Mi子とS男の真実の物語

Mi夫 (東北)


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5 疑惑の吐露(新婚旅行の帰り道)

ただ・・・
一度だけ、偶然の成り行きから、自分の疑惑の念を吐露したことがありました。

新婚旅行からの帰り道、何が原因だったかは定かではありませんが、私の女性関係についてMi子が私を問い詰めるようなことを言い始めたのです。

交際当初は確かにMi子だけではなく別の女性と遊んだ事実もあったので、告白するにはいい機会と思って打ち明けていました。

Mi子は真剣に焼きもちを焼きました。しかしそのことが、私の心の奥底に封印したはずの「あの日の出来事」を蘇らせていたのです。

私は「あの日の出来事」を初めてMi子の前で話し始めていました。Mi子にとってはやぶ蛇だったと思います。

「本当はあの夜、そこに誰かいたんじゃないの? 本当のところはそうなんだろ?」

私は疑惑を抱きながらも彼女の言葉をずっと信じていましたから、問い詰めるつもりなど毛頭なかったし、すぐに否定してくれるものと思っていました。

ところがMi子の態度が急に怪しくなったのです。そして貝のように黙り込んでしまうのです。

「何で黙ってしまうの? 否定しないってことはやっぱり誰かいたってこと? 誰が居たんだ?」

問い詰めるような口調になっていたと思います。

Mi子はずっと外を向いて私の顔を見ようとはしませんでした。よく見ると泣いているようでした。しばらく黙ってましたが、小さな声で言いました。

「ごめんなさい・・・酔った帰りに送ってもらって・・・それで・・・あの頃の私は少し変になってた・・・あなたは大人だったし色々な女性と経験があることも分かってた・・・そしてあなた一人が結婚を急いでいて・・・このまま結婚していいのかって・・・周りのみんなも適当に遊んでたし・・・私も誘いに負けてしまって・・・でも後で気付いたの・・・今はあなたしかいない・・・ごめんなさい・・・」

結婚式を挙げ新婚旅行から帰る途中にまさかこのような話の展開になるとは思ってもいませんでした。ばつが悪くなった私でしたが、このことに関してこのままにしてはおけない空気を感じ、優しく言っていました。

「もう結婚したんだし、俺も昔は遊んでたしさ。別に怒ってもいないから正直に言ってもらった方が嬉しいんだけどな。」

しかしMi子は単に「ごめんなさい」「愛しているのはあなただけ」を繰り返すのみで具体的な話をすることはありませんでした。

私にしてみればそこで手紙を見たことを白状しMi子を追求することもできたのですが、新婚旅行から帰る途中で喧嘩したくもなかったし、もともと疑惑を封印して結婚したのは自分でしたから、それ以上の追求はしなかったのです。

ただ・・・

疑惑といっても、私の想像していた内容はそれほど深いものではありませんでした。まさか私と交際しながら上司と不倫を重ねていたなどとは思ってもみませんでした。

しかし、ずっと後になってS男当人から聞かされた疑惑の真実は、私の想像を遙かに超えるものだったのです。

これは結果論ですが、もしかしたらMi子は秘密を隠したまま私と結婚したことを後悔し、とことん追求されることを望んでいたのかもしれません。

でももし、そこで疑惑をとことん追求し真実を明らかにしていれば、さすがの私ですらS男を半殺しにして本気で離婚を考えたかもしれません。

あの時、あのタイミングで、そうしなかった、そうならなかったのは、神様のいたずら、私の人生にとって大きな幸運だったと思います。

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