告白、二人の心
頭から離れることのなくなった女性像。
あかの他人、それも複数の男達の欲望に身を任せ、理性と本能との狭間を行き来しながら、様々な体勢で交わり、汚され、狂い乱れる女性…
明るくも決して主張しすぎず、いつも夫である私はもとより、人に対し「三歩下がって」といった古風な姿勢を示す、近所にも会社の人間にも好評な妻。
母として優しく、時に強く厳しく子供に接し、小学生になって随分経つ長男に、毎夜添い寝をねだられる妻。
夫婦の営みの時は淫らに努め、時を掛け自分の喜びを少しずつ見出してきた妻。
手を伸ばせばいつ何時でも触れることのできる妻…
膨らみつづける妄想の中でしか見ることのできない、においもましてや感触すらない妻…
妄想の中で、男達の淫らな動きに苦しくも喜び、もがき続ける女性は、まぎれもなく妻であり、妻であるからこそ、その夢に果てがない様に感じられ、私は日に日に重さを増す夢を抱えきれなくなっていました。
そして、今から1年半ほど前、床にカーテンの影を色濃く残す晩夏の日差しを避け座り、手際よく洗濯物をたたみ積み上げてゆく妻に、唐突に打ち明けました。
「俺以外の男に抱かれる美枝子が見てみたい…」
吐露ともいえるこの告白に、私は後の言葉を見出せず、妻の驚いた顔と長い沈黙が、妄想と現実の溝の深さを教えてくれたのでした。
あかの他人、それも複数の男達の欲望に身を任せ、理性と本能との狭間を行き来しながら、様々な体勢で交わり、汚され、狂い乱れる女性…
明るくも決して主張しすぎず、いつも夫である私はもとより、人に対し「三歩下がって」といった古風な姿勢を示す、近所にも会社の人間にも好評な妻。
母として優しく、時に強く厳しく子供に接し、小学生になって随分経つ長男に、毎夜添い寝をねだられる妻。
夫婦の営みの時は淫らに努め、時を掛け自分の喜びを少しずつ見出してきた妻。
手を伸ばせばいつ何時でも触れることのできる妻…
膨らみつづける妄想の中でしか見ることのできない、においもましてや感触すらない妻…
妄想の中で、男達の淫らな動きに苦しくも喜び、もがき続ける女性は、まぎれもなく妻であり、妻であるからこそ、その夢に果てがない様に感じられ、私は日に日に重さを増す夢を抱えきれなくなっていました。
そして、今から1年半ほど前、床にカーテンの影を色濃く残す晩夏の日差しを避け座り、手際よく洗濯物をたたみ積み上げてゆく妻に、唐突に打ち明けました。
「俺以外の男に抱かれる美枝子が見てみたい…」
吐露ともいえるこの告白に、私は後の言葉を見出せず、妻の驚いた顔と長い沈黙が、妄想と現実の溝の深さを教えてくれたのでした。