●そんなに、他の男のことが怖いわけ?
「最低よね・・別にそんなに期待してたわけでもないけど・・本当に失望した・・
・・・私がどんなに入れて欲しかったか、たーくん分かってるの?」
「分かってる・・
僕だってほんとに入れたかったよ・・だけど・・」
「・・まあいいわ・・
仕方ないよね・・」
ふと沈黙が続きました。
彼女は何かを考えているのでしょう。
おそらく、私を責めるための、より効果的で邪悪な言葉を。
彼女の眼の輝きがそれを物語ります。
「大学生の巨根って聞くだけで、負け犬になっちゃうのよね
そんなに、他の男のことが怖いわけ?」
「・・ごめん・・」
「怖いのって聞いたの」
私に、自ら「こわい」と言わせようと決めたのでしょう。
私が他の男を怖いと認め、怯える自分を妻に知られる屈辱を味わうことを、よく分かった上で、私の心を解剖しようと残酷な言葉を重ねてきます。
無駄な抵抗はしませんでした。
「こわい・・負け犬って言われてもその通りだと思うけど・・こわい・・」
正直に言えば、他にもいろいろあります。
それは、以前書いたとおりです。
自分自身が彼女を妊娠させるという可能性に怯えましたし、他の男が妊娠させるかも知れないと言う可能性にも怯えました。
しかし簡単に言ってしまえば、彼女の言うとおり、もうその日の夜には、彼女の肉体を貪ることになるかもしれない「大学生の巨根」が怖かったのでしょう。
今度は彼女から聞くだけでは済まされないのでしょう・・
もちろん見たい気持ちが疼き、寝取られマゾの心を刺激しますが、今までになかった現実世界でのリアルな状況がどうしても怖いのです。
その大学生に向き合うこと、私の妻を性欲の対象にして、口説いているその男に対面するのがこわいのです。
私の何倍も大きなペニスを持ち、水着に生々しく浮き上がらせて既婚女性に見せつけ、誘惑するようなその男の神経の図太さや積極性が恐いのです。
妻より若い人妻のインストラクターが、すでにその大学生にジムのトイレでレイプされたといいます。
若い激しい性欲で人妻に欲情し、本気で籠絡しようとする男の攻撃性に、自ら向き合うという初めての状況がこわいのです。
今までは「彼女の性欲」を恐れながらも、興奮していました。
過去に西脇に寝取られた話は、彼女の性欲を物語るものだったのです。
リアルな略奪者としての生身の男は過去の記憶の中だけでした。
どんなに屈辱的な話を聞かされても、私たち二人の寝室の中での閉じた世界での話で済んでいたのです。
しかしそこに、若い大学生という「外敵」がついに入り込んできたのです。
前夜、彼女のメールに積極的に返信してきた、未知の男がいるのです。
生々しい性欲をたぎらせて人妻の肉体を狙う現実の男が、現在進行形で、そこにいるのです。
私が恐れるべきものに、彼女の性欲だけではなく、その若い男の性欲も加わってしまったのです。
私たちがその大学生によってどんな状況に追い詰められていくのか・・彼女を失うのではないか・・・
その男は私に対してどんな態度を取るのだろうか・・
彼と面と向かい合いながら彼女にペニスを比較される屈辱もあるかもしれない・・彼自身に言われるかも知れない・・・笑われるかも知れない
強烈な劣等感の中で嘲笑され、私はどんな表情をすれば良いのだろう
家に上がり込まれて、私は自分の居場所さえ失うのではないだろうか・・
プレイに参加させられるのかもしれない・・そこでどんな屈辱的な役回りを演じさせられることになるのか・・
私は何をしなければならないのか、何をされるのだろうか・・
彼女は、健一君に、浮気セックスを私が許した事をはっきりと言うはずです。
寝取られマゾの性癖を持つ私が彼女にアナルを嬲られていることも・・
それだけではありません・・・
妻を寝取られる弱い男は、寝取る強いオスの前では「女の子」扱いされるべきだと彼女が言い、私が「女性化」の調教プレイさえ受けていること・・
大きなナスでディープスロートの練習をさせられ、「尿道マンコ」の「処女」を彼女の指で奪われ、肛門を「オマンコ」と認めさせられたこと・・・
私はマゾではあるかも知れません。
しかし決して絶対にホモではありません。
ただ、地獄のような射精管理の禁欲のなかで、限界まで焦らされた私は、言ってはいけない言葉であると分かっていたのに、言わされてしまったのです。
私自身が彼のペニスでアナルを犯されたい、中出しして欲しいと、叫びながら射精したのです。
今は激しく後悔しています。
しかし、このことも、妻はその大学生に言うのでしょう
その大学生はどんな表情で彼女の告白を聞くのでしょうか。
変態な夫に欲求不満を募らせている人妻なんだと、安心して彼女を口説くのでしょうか。
私にはサディスティックに振る舞う彼女の仮面を引き剥がし、ドMな本性を彼女から引きずり出したいと欲情するのでしょうか。
せめて、私もいるときに、私の痴態を暴露するのだけはやめて欲しい・・
彼女に強制された想像の中とはいえ、アナルを貫かれ、中出しを懇願した相手にどんな顔をして向き合えばいいのか・・・分かりません
羞恥心のあまり、身の置き所のない居心地の悪さに悶えることになるのか
道化のような役回りで媚びるような薄ら笑いを浮かべるのだろうか
何より恐いのは、その健一君という大学生が、妻に「その気」にさせられることです。
私が彼女に調教され焦らされた挙げ句、言うべきではない言葉を言わされた時と同じように、彼も彼女に焦らされれば、自分の射精と引き替えに禁断の領域に踏み込まされるかも知れないのです。
私を、彼が射精の手段として認識する可能性が、恐いのです。
考えたくないおぞましい映像と感覚が脳を占拠します。