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日記番号:1073

淫の刻印

アスカ(京都)


  感想集

36 裏ビデオの女

呼ばれた女が、男に跨がり、手を添えてみずからの秘唇に逸物を埋め込んでゆく。逸物に肉ビラが、まとわりつき、埋没する。引き抜かれる時は、肉ビラが、まくれあがる。その様子が、克明に撮影されていた。題名は、「京美 vol.9」出演者の名前はない。ストーリーは、なく。ひたすら、男と女の交尾の画像が、延々と続く。

榊は、会社の同僚が、出張のおり、大阪で買ってきた裏ビデオを、海外赴任の餞別としてもらい。赴任の三日前、最後の打ち合わせも終わり、会社に隣接するホテルで、さっそく、ビデオを見ていた。そこに出演している女は、若い頃の典子にそっくりだった。

女は、順番にあらゆる体位で、畳の上で、トイレで、廊下で、玄関先で、若い男から老人まで、体を貪られながら、平然として、時に笑みを浮かべながら…台詞は、ない。ひたすら、交尾していた。

榊は、息を殺し、背もたれに持たれ、あの無表情な顔は、画像が、粗いとは言え、妻に間違いないと確信した。早送りして、最後の場面にすると、女は、秘唇に男の手首をくわえこんでいた。男の手首には、女の粘液のような汁が、流れ落ちていた。

翌日、橘の事務所を尋ね、ビデオの件を聞いた。
「京美企画のビデオね。昔、榊君の奥さんは、かなりヤバイ筋の裏物に出ていたな。京美シリーズは、ヤクザのルートでも人気が、あってね。なかなか、本来の表のルートに乗らなくても、かなり裏社会では、流通したんだよ。」
「無理矢理でしょうか?」

「昔、私が見たのは、普通の女を監禁して、薬漬け、男漬けにして、肉体改造する記録ビデオだった。かなりヤバイものだった。でえ…どうしたいんだ?榊君は。」
「時間もないので、…ぜひ、真相を調べてくれませんか。明後日、羽田から赴任しますから。」
「奥さんを預かる以上、わしも調べてみよう。ところで、夕方、時間あるかね。」
「夕方なら…」
「ぜひ、知っておいてほしい事が、あるんだ。」
「何ですか?」
「楽しみにしてください。夕方には、わかりますよ。」

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