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日記番号:1020

Mi子とS男の真実の物語

Mi夫 (東北)


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34 S男との接触第二ラウンド1

★★★ S男との接触第二ラウンド1 ★★★

昼食を取っている時にS男から連絡が入りました。オフィスからのようでした。いよいよS男との接触第二ラウンドが始まるのだと思うと、身震いを感じました。

「例の件ですが、午後2時30分から駅前にある割烹○○亭を予約できました。私は2時半に○○亭にてお待ちしております。それでよろしいでしょうか?」

先程の態度とは違って、まるでお得意様を接待するかのような話し方には一瞬躊躇しましたが、とくに異論はありませんでした。

「ああ。よろしく頼みます。」

S男の丁寧な物言いに私は思わず条件反射的に普段の調子で明るく返事をしていました。通話を切ってから、私がS男を脅している立場にあることを思い出し、『しまった』と深くため息をつきました。

電話でのS男は至ってノーマルかつ親切なビジネスマンという印象でした。ついさっき、卑猥な表情で秘密を白状した男だとは思えません。第一印象ではきっと大概の相手に好感を与えるに違いありません。もっとも真実の鬼とはそんなものなのかも知れない・・・

わたしが到着した時にはすでにS男は部屋に待機し、お茶を飲んでいました。
時刻はちょうど2時半を回ったところ。お世話係の中年の女性がメニューを置いて出て行ったところでS男はこちらを振り向きました。

「お手柔らかに頼むよ。」

私が部屋に入るなりS男の方から笑顔で明るく声をかけてきました。

とても馴れ馴れしい感じのその笑顔に、私は正直むっとしました。結婚前とはいえ、婚約期間中であることを知りながら私の大切な恋人を寝取っていた男です。

自らの変態的な欲求に突き動かされここまでたどり着いた私でしたが、その時最初に感じたのはS男に対する嫉妬と憤りの感情でした。

私はS男を信用していませんでした。はったりを見抜かれないよう慎重な態度を装い、さらなるはったりを交えてこう言いました。メールのことはその場の思い付きだったと思います。

「断っておくが下手な小細工は通用しないからな。俺は今からある人物にメールを入れる。S男、あんたがMi子に何らかの連絡を取ったかどうかを確認するためだ。
 一つだけ教えておくが、俺が知っている事実関係にはMi子以外の職員や外部の人間も絡んでいるんだ。忘れるなよ。もう一つ教えてやるが、Mi子の携帯と家の電話には細工を施しているから、通話は全て記録されることになっている。」

全て私の考えたはったりでした。「ある人物にメールを入れる」ため、私はその場で携帯を開け、メールを打ちました。もちろんダミーの内容です。「ある人物」として送信した相手はMi子本人でした。でも意図があったわけではありませんでした。

『今仕事で○○市へ来てるよ。Mi子がお世話になった会社の人にも会ったよ。懐かしいね。今夜は遅くなると思うから夕飯は要らないね。』

S男に聞こえるようわざと送信音を響かせてやりました。

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