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日記番号:1020

Mi子とS男の真実の物語

Mi夫 (東北)


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29 第一ラウンドの終了

★★★ 第一ラウンドの終了 ★★★

時刻はもうすぐ正午になろうとしていました。

S男との接触第一ラウンドは、とあるオフィスの部屋を借り午前10時に待ち合わせのうえ、2時間という約束で始めたものでした。予定では私ではない人物が伺うこととしていたものでした。

もうじき正午、約束の時刻が近づき、S男は時刻を気にし始めました。そして、まるで私の心中を見透かすかのようにこう言いました。

「そろそろお昼だな。この後、どうするんだ。俺の方は午後いったんディスクに戻らなくちゃならないよ。でもMi夫君、この状態じゃ君の気が済まないとも思うし。改めて出直して話し合ってもいいよ。Mi子がどんなことまで告白してるのか分からないが、俺にはまだしゃべってないこともたくさんあるしな。君の気の済むようなスケジュールを立ててくれたら従うさ。」

まだ喋って無いこともたくさんある・・・

全くS男という男、あなどれない奴だと思いました。私の心模様が分かっているかのようでした。S男を騙し脅迫していたのは私の方なのに、S男の方が冷静に見えました。S男を意識した私は、『このまま帰るわけにはいかない。』と心に念じ、落ち着いた態度を装って言いました。

「まだまだ喋ってないことがたくさんありそうだな。俺としてはこのまま続きをやりたいところだよ。でも場所の予約が出来てないからね。S男、仕事が終わり次第再開ってことでどうだ?」

S男は少し考え込んでから答えました。

「ああいいよ。それと場所のことな。大きな声では喋れない内容もあるし、喫茶店とかそういうところは避けたいね。自分が知ってる料亭があるんだが、そこで良ければ午後3時過ぎには再開できるよう手配してもいいよ。どうだ。」

今度は私が考え込む番でした。
S男は本当に落ち着いている。
まるで私のはったりを看破しているような態度。
この後の展開をすでにシミュレーションしているのか・・・
私は用心しながら返しました。

「それはありがたいね。でも料亭に懇意な知り合いがいて、おかしな小細工を仕掛けてみろ。ただでは済まないことだけは覚悟してもらうからな。それと念のため言っておくが、もし何らかの手を尽くしてMi子に連絡をとった場合にはな、確実にペナルティを課すから忘れるな。」

「そんな心配は要らないよ。知り合いなんていないし、端っから小細工などする気もないから安心していいよ。それにMi子の自宅の電話も携帯番号も知らないし。
俺としてはね、Mi夫君。君と喧嘩したくはないんだ。俺が悪かったことは認めるし、君の気が済むようにしたいだけさ。勿論慰謝料の相談にも応じる。真実を喋れっていうなら喋るしな。早く楽になりたいだけだよ。」

S男の言葉を簡単には信用出来ないと思いましたが、地の利に疎い私は申し出を受けることにしました。

「分かった。それじゃ仕事が終わったら連絡してくれ。」

そう言ってS男の携帯電話に私からの着信処理を行い、S男とは一旦別れたのでした。

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