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日記番号:892

愛する妻を堕した男

志保の夫(首都圏)


  感想集

24.最後の一枚①

私は乳房や乳首を愛撫することよりもお互いに裸の胸を擦り合わせたかった。それが二人の距離をもっとも縮める愛情表現方法と思っていた。
私は志保の背中に両腕を回して力いっぱいギュッと抱きしめ、胸を擦る。胸を両手で押さえていた志保も手を離して私の背中に回した。
「あったかい・・・」志保も私の意図を理解してくれて嬉しかった。
もし、志保が他の男に抱かれてもこのような愛情表現を受けることが無いだろう。
胸を合わせながら、唇も同じように隙間なく重ねる。交互に貪り合い唾液をすすり合うことに何の抵抗も無くなっていた。
しかし、このように激しい抱擁をしながらも、最も男女の究極的愛情交換の部位にはそれを隔てる物が存在していた。私も志保も最後の一枚の布を身に着けていた。それが存在する限り私たちの愛は永遠に成就することは無い。
横抱きにして背中から腰辺りへ愛撫を繰り返す。時々尻のTOPに手の平を乗せる。それを何度か繰り返してから指の先をアンダースコートのゴムの下に潜り込ませる。志保が激しく身体を押し付けてくる。これだけでは志保の意思が判らない。果たして、志保が協力してくれるのか、あるいは拒否するのか。
更に指を進めると、もう一枚の布に遭遇した。ショーツ?
2つのガードにどう対処したらいいのだろう?強引に2枚一緒に引き下ろすべきか?それとも1枚ずつ脱がせた方がいいのか?まったく経験がない。
野島言っていた事を思い出した。「女はパンスト、ガードル、ショーツと3枚でガードしているんだ。経験の浅い女は1枚ずつ脱がせると心理的に段々不安になって拒絶を始めるんだ。だから僕の場合は3枚一気に抜き取ることにしているんだ。パンツを脱がしてスッポンポンにしたら女は諦める。セックスに慣れた女は1枚ずつゆっくり時間をかけて脱がせるとお互いに興奮して燃えるよ」
2枚一緒に脱がしたら、やっぱり乱暴だとおもうかなぁ。最後のショーツは志保の意思を聞こう。
私はアンダースコートのゴムに指を掛けて、抱いたまま片手で剥ぐように下ろしていく。意外にも、志保は身体を浮かして協力してくれた。
「志保ちゃん、やっぱり下にも着けていたね?」
「だって・・・、恥ずかしかったんだもの」しがみ付きながら甘えるように言う。また頬や耳朶が火照っている。
甘えながらもかなり緊張している。身体がピクピクと動く。このまま進めると緊張感に堪えられなくて、逃げ出すか、拒否反応を示すかもしれない。前の彼女は焦って失敗した苦い経験がある。少し緊張を和らげるような雰囲気を変える必要がある。
難しい事では無い、野球でピンチになった投手にコーチが近寄って一息入れさせるようなことだ。またバレーボールで作戦タイムをとって流れをかるのと似ている。これは我々運動クラブではよく実践されることだ。
「僕も志保ちゃんと同じ最後の1枚になんだ。見たい?」
「省吾さんも?」
「あれ、気付かなかった?さっき、志保ちゃんがスーパーで選んでくれたビキニを穿いていたんだけど」
「えっ、そうなの?私、よく見ていなかったから・・・」
志保がホッとしたように乗ってくる。
「ビキニブリーフは初めて?」
「そうなんだ、今までのトランクスと違ってぴっちり張り付いているようで、まだ慣れないなぁ、見てみる?」
「え、えぇ?男の人の下着姿って、父と兄しか知らないから・・・、でも、何だか恥ずかしいなぁ」
「志保ちゃんが薦めたんだよ。ちゃんと見てくれなくちゃ・・・」
私はサイドテーブルのスタンドライトを点ける。
「いやぁ~ん」
志保が慌ててブランケットを裸の上半身を覆う。
「どうだい?カッコいい?」
私は両膝を立てて身体の方向を志保の正面に向け、腰を少し前に突き出す。

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