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日記番号:1088

淫の刻印 2

アスカ(京都)


  感想集

22 丸の内 密告…監査役

アズミ企画と康子との関係…もちろん、クズハと西の関係に頭が、いっぱいの時、若手の審査部の人間から、専務案件として、無担保の一億円の融資が、通過したと報告が、あった。榊原は、意を決して、川勝監査役を訪ねた。役員室の通路は、高級ホテルの絨毯よりも立派なもので、靴が、埋もれそうだった。

温和な監査役が、榊原をみると、嬉しそうに、招き入れた。
「決算シーズンにならないと、相手にされないから、暇で暇で・・・」
「御無沙汰して…申し訳けありません。お電話で、話しました専務の件で…」
「絶対権力者に逆らうと、榊原君、人生、終わりやで…」
「放置しているとjプロジェクト、東亜銀行は、傾きます。監査役は、アズミ企画を、どう見ていますか?」
「あまり、いい話しは、聞かないね。確証もないから、何ともね…仮に知っていても、公然と反旗まではね。家族もいるし。」
「いろいろ…調べてみます。どこまで、たどり着くか、わかりませんが…」
「ネタを集めて、一つ、一つ、裏を取るべきだよ。そして、時期を待つんだ。我々には、反骨と言う関西人の血が、流れているみたいだな。年寄りだが、協力者が、一人いるのを、覚えておいてくれ。」

川勝は、関西の私鉄の創業者一族の一員だった。生粋の関西人であった。
「もう暫く、生きてゆく価値が、あるね。」
榊原は、肩から力が、抜けたような気がした。しかし、自分の席に戻り、スマホを見ると、青白く点滅していた。
(メールだ…)

「榊原君…最近のクズハの様子だ…本人は、楽しんでいるよ。」
(くそっ…もて遊びやがって…)

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