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日記番号:844

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幸治(都内)


  感想集

5章-5

呼吸が荒くなっているのは性的興奮だけでは無く、湯の中に浸かっている時間が長くなって、湯あたりおそれもある。
私の後ろで「ねぇ、もう出ましょうよ」と、後ろで小さく耳元で囁く。
その時私たちが大きなミスをしたことに気が付いた。持って来た手拭を入口付近の岩の上にかけたまま奥に移動していたのだ。
「どうする?手拭が無いけど?」
私たちは位置的にこの中年夫婦の前を通って行かなければならない。私はともかく陽子は全裸の状態でまったく見知らずの中年カップルの前を横切らなければならないのだ。
陽子も不安そうな顔で私を見て、中年カップルに聞こえないように顔を寄せて話す。お湯の出口に近いのでジャージャーとお湯が流れ出る音で私たちの会話はハッキリ聞こえないと思う。
「幸治さん、やっぱり取りに行って・・・」と、言った後、「あのぉ~、出来たら脱衣所にあるバスタオルの方がいいんだけど・・・」と、付け加えた。
しかし、バスタオルが置いてある脱衣所までは距離がある。露天風呂から階段を上り下りして大浴場へ、そこを通り越して脱衣所まで往復するには早足で歩いても3、4分程度はかかるだろう。その間、陽子を一人にしなければならない。
やっぱり露天風呂の入口近くに置いた手拭を取って来た方が簡単なのだが、それだけでは陽子の裸体の一部しか隠せない事は確かだ。
「脱衣所まではちょっと時間がかかるけど、1人で大丈夫かい?」
「あの人たちご夫婦だからたぶん大丈夫よ。ご夫婦で変なことをしないと思うわ」
確かに、陽子の言う通りで、カップルで女に変な行為はしないだろう。
私は脱衣所までタオルを取りに行くことにしたが、その時、別の問題も起きていた。
それは私の下腹部に異変が起きていた。中年カップルの挑発でペニスが勃起していたのだった。平常時なら片手でも隠せるが、馬並みとは言わないが、標準的日本人よりは多少大きいと思っている。(ただし、隣の中年男と比べると多少見劣りはした)勃起したペニス全体を手で隠すことは無理があるし、隠したとしても勃起していることはすぐバレテしまう。陽子にはあまり見せたくない。
しかし、そうも言っていられない。
「早く戻って来てね」
陽子が苦しそうに話す。呼吸も次第に荒くなってきている。
私は勃起したペニスを押さえ付けて、彼らの前を横切る。
「トイレですか?ほぉ~、ご主人、中々立派な道具ですなぁ、いやぁ、若い人は素晴らしい」
男は女を愛撫しながら、わざと大げさに言う。
私はそれを無視して、露天風呂の中をバシャバシャとお湯を掻き分けて先を急ぐ。
しかし、私がバスタオルを持って露天風呂に戻ると・・・。

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