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日記番号:1088

淫の刻印 2

アスカ(京都)


  感想集

21 丸の内 探偵

榊原は、職務上付き合いのある弁護士の紹介で、探偵に調査依頼をし、ある日、喫茶店で、探偵から、話しを聞いた。

探偵は、榊原と同年代の体育会系の男だった。「ナンバーの調査では、所有者は、ごく普通の人です。ただ、貸与されております。アズミ企画と言う会社です。」
「アズミ企画とは?」
「飲食、不動産賃貸が、メインですが、かなり、エゲツナイ会社です。」
「エゲツナイ…?」
「100%…ヤクザです。」
「代表者が、ヤクザ…」
「あくまで、私達の業界では、あまり、触りたくない物の一つです。」
二人の間に、沈黙が、流れた。
「あくまで、ウワサですが…政財界と癒着したデリヘルとか無店舗の風俗業をしています。必要となれば、高級娼婦を都内の有名ホテルへ派遣します。客は、政治家、高級官僚、外国大使館、上場企業の役員、要は、金持ちです。そこには、最大の反社会的勢力と右翼団体が、運営面で、関わっています。公安当局も手出し出来ません。」

「なぜ?」
「事件性のあることが、起こっていない。これ以上の調査は、無理です。他をあたってください。」
「なぜ?」
「しっこく、かぎまわっていたら、週末には、私の体が、東京湾に浮いています。」

憮然たる表情で、会社の席にもどると、若い者が、榊原の元に来て、息巻いた。
「西専務の案件のうち、西さん自身の身内に対する融資が、異常ですよ。ご存知ですか?」
「あまり、社内で、言っても無駄かもしれない。私も調べるから、時間をくれないかな?」

(西の異常融資とアズミ企画は、関係あるのだろうか?)
榊原は、喉が、カラカラに乾いた。

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