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日記番号:582

私たちの消せない記憶

うげんこう(東京都西部)


  感想集

20 バ カ 面

妻のイスの上で中身もないのに、大口をあけて上を向いてるバッグは、まるで自分のバカ面のように見えた。
私だって泣きたい気分だ、何でこの妻と情けないいさかいをしなきゃならないんだ
不貞が分ったとしてどうする、責めるのか
離婚するのか、許すのか、  どうしようとしてるんだお前は、、、

そう思いながら、風呂敷包みの中の無造作にまいてある紙包みを引き抜いた。
中身を出すと、黒い布の塊で一瞬分らなかったが、紐を引っ張るとそれはブラジャーと細いパンティだった。
嫌なにおいがして吐き気がしたので、急いで紙にくるむとそこにつ込んでおいた
洗面所に行って手を洗ってうがいをした。
そして床にうずくまっている妻に「もういい、もう止めよう」と言った。
立ち上がる気配もないから、横にかがんで「もう良いじゃないか」と言ったが動こうとしない。
フローリングは冷たいから、僕は妻をかかえて寝室に運んでもう寝ろよと言った。
泣いているようだったから髪を2,3度なでてやって布団をかけた。

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