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日記番号:844

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幸治(都内)


  感想集

4章-2

女の淫声の二重唱が始まる。お互いに競うように悦びを表現すると共に自分のパートナーの素晴らしさもアピールしているのだろうか?
初めは同じ場所から聞こえていた声が離れ、一組はベッドルームに移ってきたようだ。しかし、それもわずかな間で、もう一組も別のベッドに移動したようだ。
二組のカップルはツインベッドで並んでセックスしているのだろう。お互いに相手を見ながらのセックスはどんな気持ちになるのだろう。そもそも乱交パーテーの話は三文週刊誌の記事で読んだことはあるが、〝ヤラセネタ〟と思っていた。しかし、実際隣室でそれが行われるとは・・・。
聞こえて来るのは喘ぎ声だけでは無い。パンパン、ペタンペタンと肉同士がぶつかり合う音がリアル過ぎる。同時にベッドの軋みが私たちまで伝わってくる。
突然、陽子がその場にしゃがみ込んだ。顔が赤みを増し、息はさらに荒くなっている。
陽子も隣室で繰り広げられているアブノーマルセックスに激しく動揺したのだ。
抱きかかえて布団に寝かせると、私の腰にしがみ付き、浴衣の裾を掻き分けてあっと云う間にトランクスを引きずり下ろす。そして、いきり立ったペニスを咥えた。陽子が自分からフェラをすることはあまり無い。
顔を赤くしてペニスにしゃぶり付くその姿はいつもの陽子とはまったく別の女だった。女と言うより発情した一匹のメスと表現した方が当たっているかもしれない。
陽子がこのような形で激しく求めて来たことは初めてかもしれない。もちろん、これまでも陽子から求めてきたことはあったが、それは間接的であって、私に甘えた振りをしてその気にさせ、抱いてもらう形だった。
浴衣を肩から脱がせると、自分で帯を解き裸になる。
あれっ?陽子はショーツを穿いていなかった?
営みの後、ショーツを穿かないで風呂に行くつもりだったのか?穿く前に隣室の異変が始まったのか?よく分からないがショーツを脱がす手間が省けたことは確かだ。
全裸になった陽子の肌はピンク色に染まり抱くと熱く火照っている。
陰唇の間からは淫水が溢れでして太ももを濡らしている。壁に寄りかかって聞き耳を立てていた頃から既に足首まで伝って流れていたかもしれない。流れ出していたのは陽子の淫水だけではなさそうだ。その直前に射精した私の精液も混ざっているようで、微かに生臭い匂いがした。
「幸治さん、はやくぅ、ちょうだい!はやく!」
そう叫びながら腰を押し付けてくねらせる。
一気に挿入すると、「あ、あ、あぁぁぁ」と叫び、尻を持ち上げるように押し付けてきた。陽子は口に手を当てていなかった。快感をストレートに表現している。
「もっと!もっとちょうだい!」両手を首に巻き付けてしがみつく。
「もっと!もっと、めちゃめちゃにしてっ!」
陽子の暴走が止まらない。私も陽子に催促されて大きく開いた股間の中央に向かって激しく突き刺す。
「あぁ、あぁ、あぁぁぁ、いい、いい、いいわぁ、もっともっと!」
自分から腰を突き上げてねだるので、私はクルリと体を回転して騎乗位をとる。しかし、騎乗位に慣れていない陽子は上手く下半身のストロークができない。陽子が騎乗位をしなかった理由は妊娠しづらい体位だったからである。騎乗位で期待した快感が得られなかったのでイラつく。私は再度体位を変えようと思い、最も挿入が深く、体全体が安定して持続的に快感が得られる屈曲位をとることにする「あぁぁぁ、すごいぃぃぃ・・・、あぁぁぁ、深いぃぃぃ、深いのぉぉぉ~」
「どうだ?陽子!感じるか?感じるか?」
「あぁぁぁ、すごい、すごく感じるの、してぇ、してぇ、もっと・・・」
隣室の過激な淫声によって、陽子のこれまでの慎みや羞恥というタガから解放されたのか、それとも陽子の意識の中に潜んでいた女の性が目覚め暴走し始めたのか判らないが、今、私の体の下で悶え叫んでいるのはまったく別な陽子だ。私も必死にペニスを突き刺す。

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