メニュー ログイン

日記番号:582

私たちの消せない記憶

うげんこう(東京都西部)


  感想集

13 ひどく腹が立った

あの穏やかでにこやかな妻はどこに行ったのだろ、、、、、

私は、上着を脱いでイスにかけると浴槽に行きお湯を張る準備をしました。
勢いよくお湯が出て、どんどん増えてゆきますが、なぜかそこから動くことが出来ません。
湯気が立ち上り、顔にかかって息苦しくなり、思い直してリビングに行くと、妻がまだそのまま立っています。
何か言わなければと思ったのですが、言葉が見つからず後ろからそっと抱いてやりました。
ちょっとよろけた妻は、私のほうに向き直って顔を胸に埋めてきましたが、すぐ離れて奥に行きました。
お湯を止めると、妻に風呂に入るように言って私はビールを取り出し、飲み始めたのですが、一口目が気管に入りひどくむせました。

咽ながら、今日のこれは一体なんなんだと、、、俺の責任か、、いや俺じゃあないぞ、、妻の不明な行動と、妻自身の動揺が引き起こしたものじゃあないかとひどく腹が立ってきた。

前頁 目次 次頁