失業してローンが大変なときに友人がウィークリーマンション住まいを止めてうちで住むように勧めたのは、実は私です。
彼は、月8万円の家賃を払ってくれるのとADSLの負担を願い出てくれて私は大助かりでした。
どんなに助かったことか。
私の車を処分した替わりに、友人のパジェロを車庫に置く事で8000円のガレージ代の申し出の他、休日の買い物に家族と一緒に付き合ってくれて、こんなにありがたいことは無かったし、今でもその事実が重くのしかかるのです。
失業保険が既に打ち切られてしまい、毎日朝の外出が苦痛でした。
6月30日金曜日、駅の近くのドトールコーヒーで時間をつぶす。
予感のようなものを、不安交じりに感じる。
28日のあの晩、
「お昼をうちで食べたら?」・・・・
耳に焼き付いて離れない。
11時すこし前に家に電話してみた。いつもならいるはずの妻がいない。
店を出た私は、いつもと違う道を通って自宅へ向った。
私は、家のうらの小さな庭にある洗濯もの干し場に通じる洗面所のドアの鍵を空けて家の中に入った。
自分は何をしてるんだろう?自分の家に入ることがこんなにも苦しいものか?と胃が縮むおもいだ。
リビングのサッシが開いてて驚いた。
家には誰もいない。
リビングに面した娘の部屋に入って上着を脱ぐ。
突然、電話が鳴った。
が、すぐに切れた。しばらくして家内が帰って来た。
買い物をしたのだろう、家内はそのまま風呂場へ行ってシャワーをしているみたいだ。
予感があたったのを確信したように、ビデオカメラを撮影モードにした私は、迷ったが、娘のドアを少し開けてスイッチをRECに入れる。
シャワーの音が聞こえる。
突然電話が鳴ってバスタオル姿の家内が慌てて裸で出てきた。
「うん、今シャワーしてたの・・・・・・・・・・
だめよ、何を言ってるの・・・・・・
30分くらいしたら食事できるのだけど待てる?
ごめんね・・・・」
「・・・・・・・・」
「大したもの出来ないけど、いい?」
「・・・・・・・・・ ・・・・・」
「もう、そんなこと・・・・・え、車?」
「・・・・・・・・・・」
「そうねえ、・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「えっ!近くなの!・・・・・、じゃ・・・出来るまでテレビでも見てて」
電話が切れた。
妻は、慌てて風呂場に戻る。
服を着替える音が聞こえる。 スプレイの音が、シュッシュッ、と聞こえる。
なんと!
化粧をして、見たことも無い姿で出てきた妻は、薄い巻きスカートとタンクトップでノーブラだ。
そして、プーーンとシャワーコロンの匂いを部屋中に漂わせてる。
5分もしないうちに玄関ドアが空き、慌ててドアをそーッと閉じる。
凄い勢いで人がリビングに入って来た。
怖くてドアを閉めてて音だけが異常に冴えて聞こえる。
ひとの息遣いが激しく聞こえる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
椅子が倒れる音と共に妻の声、「ああっ!」・・・
「待って!・・・・アア・・・・」
「ウ、ムーーーウウ・・・・」
異様な声といおうか、音が鮮明に聞こえるリビングがわずかな隙間から見える。
もう、私にはわかった。何が始まるのか・・・・














